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- その他・家畜
対象家畜 : 牛、水牛
1. 原因
双翅目ヒツジバエ科のウシバエ(Hypoderma bovis)およびキスジウシバエ(Hypoderma lineatum)の幼虫。
2. 疫学
本症は北半球に広く発生が見られ、わが国では北海道で初発生が見られて以来、青森、熊本などでも報告されたが、1997年5月以降の国内発生はない。
3. 臨床症状
牛体背部に腫瘤孔、組織溶解、出血、壊死、痒覚、皮膚炎がみられる。幼虫の脊髄迷入による運動障害や死滅虫体によるアナフィラキシーショックがみられることがある。
4. 病理学的変化
牛体背部に腫瘤孔、組織溶解、出血が見られ、病変部から虫体が検出される。
5. 病原学的検査
腫瘤孔から摘出した幼虫の形態学的同定。
6. 予防・治療
牛の皮膚に寄生している幼虫が牛体を離れる以前に殺虫剤で殺滅する。秋季の有機リン剤の全身散布やイベルメクチン製剤の皮下注射などが有効である。また、殺滅した幼虫は可及的早急に摘出することが望ましい。
7. 発生情報
8. 参考情報
獣医感染症カラーアトラス第2版(文永堂)、動物の感染症第4版(近代出版)、病性鑑定マニュアル第3版(全国家畜衛生職員会)、家畜伝染病ハンドブック(朝倉書店)
編集 : 動物衛生研究部門
(令和3年12月 更新)