動物衛生研究部門

家畜の監視伝染病タイトル

疥癬 (psoroptic mange of sheep, sheep scab)

  • 鹿
  • めん羊・山羊
  • その他・家きん
  • 蜜蜂
  • その他・家畜

対象家畜 : めん羊

1. 原因

無気門目キュウセンヒゼンダニ科のヒツジキュウセンヒゼンダニ(Psoroptes ovis)。体長は成虫で0.5~0.7mm。

2. 疫学

ヒツジキュウセンヒゼンダニは世界に広く分布しているが、ヒツジの飼育が盛んな国での大きな経済損失が報告されている。主な伝搬は病畜との接触による。

3. 臨床症状

強度な痒覚と自己損傷による脱毛。病状が進行すると削痩、貧血、浮腫から悪液質に陥る。細菌の二次感染も問題となる。

4. 病理学的変化

寄生部位の炎症、水疱、膿疱など。

5. 病原学的検査

耳、頸背部、尾根部、四肢などの寄生部位から採取したダニの形態学的同定。

6. 予防・治療

早期に病畜を発見し、隔離後畜舎、敷料、器具などを殺虫剤での洗浄処理。有機リン剤、カーバメイト剤、ピレスロイド剤などの殺ダニ剤やイベルメクチン製剤の使用。

7. 発生情報

監視伝染病の発生状況(農林水産省)

8. 参考情報

獣医感染症カラーアトラス第2版(文永堂)、動物の感染症第4版(近代出版)、病性鑑定マニュアル第3版(全国家畜衛生職員会)、家畜伝染病ハンドブック(朝倉書店)


編集 : 動物衛生研究部門
(令和3年12月 更新)