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- その他・家畜
対象家畜 : 山羊
1. 原因
原因菌は、Mycoplasma capricolum subsp. capripneumoniae と呼ばれるマイコプラズマの一種である。M. mycoides subsp. capri、M. capricolum subsp. capricolum なども類似の疾病を起こす。
2. 疫学
本病はアフリカ、地中海諸国、中近東などで多く発生し、本症の山羊に対する感染率および死亡率は高く、多大の被害を与えている。めん羊でも稀に発症するが、感染源としての役割は明らかとなっていない。感染は主に感染山羊との直接接触や飛沫を吸い込む経気道感染である。
3. 臨床症状
山羊の急性の胸膜肺炎で、甚急性型ではわずかな呼吸器症状で突然、死亡する。急性型では発熱、粘調性鼻汁の漏出、咳、などの呼吸器症状がみられ、死亡する。常在地では慢性型がみられ、慢性的な発咳、鼻汁漏出などがみられる。
4. 病理学的変化
本症は重篤な線維素性胸膜肺炎を主徴とする。病変部は胸腔に限局。肺の肝変化、淡黄色(わら色)の胸水が多量に貯留し、胸壁との癒着がみられる。
5. 病原学的検査
病変部を含む肺組織、胸水からマイコプラズマの分離と同定を行う。臓器乳剤からの直接PCRも可能である。
6. 抗体検査
血清学的診断法には、補体結合反応、ラテックス凝集反応、競合ELISAなどがある。
7. 予防・治療
海外では、不活化ワクチンが使用されている。テトラサイクリン、タイロシンなどの早期投与が有効である。
8. 発生情報
9. 参考情報
獣医感染症カラーアトラス第2版(文永堂)、動物の感染症第4版(近代出版)、獣医伝染病学第5版(近代出版)、家畜伝染病ハンドブック(朝倉書店)
編集 : 動物衛生研究部門
(令和6年11月 更新)