就任挨拶
令和4年4月1日付で農研機構動物衛生研究部門の所長を拝命しました勝田 賢です。関係者の皆様には日頃から動物衛生研究業務にご協力いただき、厚く御礼申し上げます。
農研機構動物衛生研究部門は、動物衛生分野の研究開発を通じて、健全な畜産の維持・発展、安全な畜産物の流通に貢献することを目指しています。当部門は大正時代に獣疫調査所として設置されて以来、国内唯一の動物疾病の専門研究機関として、野外で問題となる疾病の制圧に取り組んできました。
国内では豚熱や高病原性鳥インフルエンザが発生し、また、アジア諸国では口蹄疫、アフリカ豚熱など重要家畜伝染病の発生が継続するなど、国内外の疾病発生は予断を許さない状況になっています。また、動物由来感染症や食中毒菌・薬剤耐性菌など動物が保有する病原体のリスクの顕在化も問題となっています。これらの課題に対応するため、これまで通り、都道府県、生産者、大学、民間などの関係者と連携しながら、野外における疾病発生状況やニーズの把握、それらの情報を基にした診断法の改良・開発、ワクチンなどの予防法の研究開発を進めていきます。また、これまでに開発してきた診断や予防に関する技術をさらに深化させ、機構内外、また、国内外の研究機関と協力しながら、動物疾病の制御を通じた農業・食品産業の安定的発展と競争力強化に寄与する成果を迅速に創出することに努めていきます。
一方、動物疾病対策の基盤を支えることも我々の重要な使命と考えています。動物疾病の確定検査や病性鑑定、生物学的製剤の製造、都道府県の担当者をはじめとする多くの研修・講習生の受け入れなどについても今後継続していきます。さらに、国際獣疫事務局(OIE)から認定を受けたコラボレーティングセンターやレファレンスラボラトリーとしての活動、海外研究機関との国際共同研究、開発途上国への技術協力など国際活動も進めていきます。
関係者の皆様の期待に応えられる研究部門となるよう努めていきますので、今後ともご支援とご協力の程よろしくお願いいたします。
農研機構動物衛生研究部門
所長勝田 賢(かつだ けん)