動物衛生研究部門

牛伝染性鼻気管炎(牛ヘルペスウイルス1型感染症) (届)

Infectious bovine rhinotrachitis

別名	牛ヘルペスウイルス1型感染症
原因	牛ヘルペスウイルス1型
疫学	年間を通じ発生。年齢に関係なく発生するが、死亡は若齢牛が主である。
症状	発熱、水様性鼻汁の漏出、呼吸速迫、発咳、流涎、一般症状の悪化、眼瞼の浮腫、眼結膜の充血、流涙。妊娠牛では流産。
肉眼所見	鼻粘膜の浮腫と偽膜の付着。咽頭・気管粘膜の水腫、出血、カタル性炎。
組織所見	カタル性線維素性上部気道炎、鼻気管炎、気管炎ときに肺炎。非化膿性脳炎、三叉神経節炎。発症初期に鼻粘膜上皮、気管上皮、炎症領域の神経節細胞、グリア細胞における好酸性核内封入体の形成。流産胎子では全身臓器(特に肝臓、副腎)における多発性巣状壊死。非化膿性脳脊髄炎。好酸性核内封入体を伴う。

	牛、実験感染例(原図:成田實) 腟炎
	牛、実験感染例(原図:成田實) 膣炎、免疫抑制剤投与により再発
	牛、実験感染例(原図:成田實) 眼結膜炎
	牛、実験感染例(原図:成田實) 腟炎、免疫抑制剤投与により再発
	牛、実験感染例(原図:成田實) 腰および仙髄神経節

病理診断No.20505,Cafl(原図:播谷亮)

大脳皮質神経細胞における好酸性封入体の形成。
大脳、HE染色、x400
Eosinophilic intranuclear inclusions in neurons.
Cerebrum, H&E, x400

病理診断No.20505,Cafl(原図:播谷亮)

神経細胞の細胞質内におけるIBRV抗原陽性反応
大脳、免疫染色、x400
IBRC immunolabelling of neuronal perikaryon.
Cerebrum, IHC,x400

	病理診断No.20505,Cafl(原図:久保正法) ウイルスが感染した神経細胞透過型電子顕微鏡像 A IBRV infected neuron. TEM
	病理診断No.20505,Cafl(原図:久保正法) 細胞質内のウイルス粒子。透過型電子顕微鏡像 The virus particles in the cytoplasm. TEM