
米麹(又は、食品用プロテアーゼ)を使ってグルテンフリー米粉パンを作る方法を開発しました。
米品質ユニットでは米の良さをさらに引き出し、皆さんにご飯や米加工食品をもっと食べて頂けるような研究を行っています。米には主要な成分としてデンプンやタンパク質が含まれています。また、米糠には栄養価に優れた米油や健康機能性成分も含まれています。これらの成分の量や質の違いを世界の稲や突然変異を起こさせた稲など幅広い遺伝資源を用いて調べて品種改良に活用したり、米の加工利用法の開発に取り組んだりしています。
例えば、米デンプンの研究では、枝分かれ構造を持つアミロペクチン(デンプンの1成分)の枝が短い稲を育成し、この特徴によって米粉パンや餅、お団子の柔らかさを保持できることを明らかにしました。この研究成果を活かして実用品種の開発を現在行っています。また、米粉に「小麦グルテン」を加えると良く膨らむ「米粉パン」が作れますが、小麦アレルギーなどによりグルテンを摂取できない方は、この「米粉パン」を食べることができません。そこで、私たちはグルテンのかわりに米麹やプロテアーゼを生地に加えることで、膨らみのよい「米粉パン」を作る方法の開発・改良を行っています。さらに、炊飯米や米粉パン、和洋菓子など米加工食品の品質を評価する手法の開発も、食品業界などから求められています。このため、食品の物性と成分の測定を組合わせて品質の評価を簡便に実施できる理化学的分析法の開発も進めています。
私たちはこのような研究を通して、米利用の可能性を少しでも広げて行けるように取り組んでいます。