農村工学研究部門

農村工学研究部門メールマガジン

メールマガジン第143号 (2022年4月号)

目次

1)トピックス
2)イベント情報
3)農村工学通信より
4)農村の草花
5)研究者の横顔

1)トピックス

■研究紹介動画「農業用水を有効活用してビニールハウスの冷暖房に利用! ~流水熱利用技術~」を新規公開しました

流水熱利用技術とは、シート状熱交換器を農業用水路に設置して流水から熱を取り出し、ヒートポンプ の冷暖房に活用する技術です。
これまで地中熱で利用されていたシート状熱交換器を水路の壁にそわせて設置し、ヒートポンプとつないで流水中から熱を取り出すと、地中に比べ約15倍、静水中に比べ約2.5倍も熱交換特性が高まります。
水路の流水から取り出した熱を農業用ビニールハウスの冷暖房に使用することで、より高品質な農作物を生産できるとともに、再生可能エネルギーの有効活用により、化石燃料の消費を減らし、温室効果ガス削減に貢献できます。
動画では、ヒートポンプシステムの仕組みについて解説したのちに、流水熱に関する研究の取組みについて紹介しております。
ぜひご覧ください。

資源利用研究領域 地域資源利用・管理グループ研究員 三木昂史

(関連URL)

2)イベント情報

■「令和4年 科学技術週間 オンライン特別公開」に参加しています

農研機構は、令和4年度科学技術週間(4月18日~24日)に合わせて、4月18日から5月8日まで「令和4年 科学技術週間 オンライン特別公開」を公開しています。
当研究部門からは「アグリチャレンジクイズ22」に問題の提供、プレゼント企画に当メールマガジンで連載中の「農村の草花」をまとめた冊子を公開しています。
詳細につきましては、公式ホームページをご覧ください。

研究推進部 研究推進室 笹倉亜希子

(関連URL)

3)農村工学通信より

■研究成果より『「シート状熱交換器」を用いて農業用水路を熱源として利用する手法の開発』

温室などの農業施設では、暖房、冷房や除湿のためにヒートポンプ(家庭用エアコンと同じ原理で作動する空調機)が導入されています。特に、暖房時には従来の温室向け暖房機(重油などを使用)では投入エネルギーの0.9倍程度の熱しか得ることができなかったのに対し、ヒートポンプの導入により投入エネルギーの3~4倍以上の熱を得ることができ、農業生産の脱炭素化への貢献が期待されています。しかし、寒冷地で暖房に使用する場合、空気から熱を取り出す熱交換器(家庭用では室外機に相当)に霜が付着して性能が低下することから、熱交換器を土中や水中に設置する方式が研究されています。
農村にはため池や農業用水路など熱交換器の水中設置が可能な施設があり、農業用水路にはかんがい期間中は分速30m 程度の流水があります。
そこで水中設置に適したシート状の熱交換器(右上写真)を用いて農業用水路の流水熱を効率良く取り出す手法を開発しました。
今号のメールマガジンで紹介している研究動画の内容について、農村工学通信で詳しく解説しています。

(関連資料)

4)農村の草花

■緑風に揺れるあの可愛らしいヒナゲシの花は、危険な侵略種 ~ナガミヒナゲシ~

世の中いろいろありますが、季節は変わらず巡ってきます。最近、桜も終わる頃から、オレンジ色の花を細長く伸びた茎先につけるヒナゲシの群生を各地でよく見かけるようになりました。このナガミヒナゲシ、じつは有毒で繁殖力も高い厄介な侵略的外来種であることをご存じですか。

施設工学研究領域施設保全グループ 上級研究員 嶺田拓也

(関連資料)

5)研究者の横顔

■大橋 雄太(おおはし ゆうた)

今回の「研究者の横顔」は、地域資源利用・管理グループの大橋さんです。
大橋さんは、施設園芸の省エネに向けた農業用被覆資材の開発に取り組んでおられます。
昨年度から同じグループでありながら、(主に私の不在の多さが原因で)お話しする機会が少なく、今回の「横顔」で多彩な趣味をお持ちと知りました。研究でも、趣味でも、あらゆる方面へセンサーが働いているのだなと感じます。ちなみに、私はスキー酔いを感じたことはないです。

他己紹介 藤井清佳

(自己紹介)

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