東北農業研究センター

水稲育種グループ

育成品種の展示圃場。 東北農業研究センター大仙研究拠点内。

東北地域においては、業務用 (中食・外食用) ・加工用の品種、あるいは飼料用米や稲発酵粗飼料の生産に適した品種の要望が高まっています。また、大規模化あるいは省力化を可能とする直播栽培を拡大していくことも重要です。そこで、良食味・多収で直播適性を備えた中食・外食用品種として「萌えみのり」、「えみのあき」、 「ちほみのり」、倒伏に強い糯品種として「ときめきもち」、米粉パン用品種として「ゆめふわり」、多収で直播適性を備えた飼料用品種として「べこあおば」、「べこごのみ」、「いわいだわら」、「べこげんき」を育成してきました。

ちほみのり」は、耐倒伏性に優れ、早生・良食味・多収の新品種です。中生の「萌えみのり」では登熟が不十分となる東北中北部での普及が期待されています。「ゆめふわり」は、米粉の質が良く、よく膨らみ、もっちりした米粉パンを作ることができます。「べこげんき」は、早生の稲発酵粗飼料用品種で、主力品種「あきたこまち」の収穫前に黄熟期収穫が可能です。

東北地域ではいもち病と冷害が古くからの問題です。また最近では高温登熟による品質の低下も問題となっています。その克服を目指して、いもち病抵抗性耐冷性高温登熟耐性の遺伝子を、DNAマーカー選抜により効率的に導入する研究を進めています。このように水稲育種グループでは、東北地域の様々な要望に応えられる品種の育成を行っています。

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