2025年7月10日(木曜日)/播種

種子を播きました。
たくさんの種類がある種子を細かい計画をたてて播くので、間違えたら大変で作業の写真を撮る余裕はなく、事後の様子です。
・・・なんだかわからないですね

播く前の種子です。
「そらたかく」の種子は普通の薄い黄色で「フクユタカ」などのよく知られた品種とあまり変わりません。
でも、「へそ」と呼んでいる、豆とさやがつながっていた部分の色が「フクユタカ」とは違いますね。
それと、豆の皮がちょっと裂けてしまう「裂皮」症状が少ないです。

種子の大きさも違います。ざっと見た感じでいえば「フクユタカ」より2周りくらい小さい印象です。
種子1粒の重さでいうと2/3くらいです。
日本では、種子がこのくらいの大きさの品種は今までにあまりありませんでした。

播種に先立って種子には専用の薬剤を塗っておきます。
病虫害のほか、出芽直後のハトによる食害も抑えてくれる青き衣です。
2025年7月18日(金曜日)/発芽

芽が出てきました。
20年以上この仕事をしていますが、毎年、うまく芽が出ると、ほっとします。
今年は梅雨明けが早く、乾燥していたのでかなり心配していました。
前日の雨も効いて、遅れ気味ながらも、なんとか。

「そらたかく」の芽は少し優しい印象です(完全に個人の感想ですけど)。
種子が小さめなので芽もちょっと小さめで、茎の部分がきれいな緑色なので。

「フクユタカ」の芽の茎は紫色です(↑)。
実は、日本で栽培されているほとんどの品種は、出てきた芽の茎が紫色になります。
品種とか環境の違いで濃淡はあるのですが、どことなく精悍な印象です(完全に個人の感想ですけど)。
同じように見えるダイズもよく見ると品種によって結構違うところがあります。
2025年7月28日(月曜日)/水やり


善通寺は昼も夜もずーっといい天気。
うまく撮れていませんが、瀬戸内の夕焼けはとてもきれいです(写真右)。

乾燥しすぎなので、「そらたかく」に潅水(かんすい=水やり)をしました。
畝(うね)の間に水を流すやり方です。

乾燥の影響か、あまり大きくなっていないですね。
これからの成長に期待です。
2025年8月14日(木曜日)/急成長

暦の上ではもう秋なのですが、善通寺は相変わらず暑いです(この日の最高気温34.0°C、最低気温は26.0°C)。
山も雲も空も、夏の感じしかありません。

先日の潅水とお盆前の雨で水分は十分。
パワフルな日差しを受けて、急成長した「そらたかく」です。
一気に大きくなりました。

植物体をちょっとチェックです。
花芽は既についていますが(写真中央のモコモコ)、まだ咲く感じではないですね。
なので、まだもうしばらく植物体の成長が続きます。
今後の天候などにもよりますが、植物体はタテもヨコも、もう2~3周りくらい大きくなると思います。
ザックリな表現ですみません。

出ました、マルカメムシです。毎年、この時期に出始める印象があります。
・・・梨地の漆器を思い浮かべてしまうのは小松だけでしょうか。
「少しいるな」くらいの数なので、たいした害はないですが、大発生になると問題です。
注意しながら様子を見ていきます。
2025年8月22日(金曜日)/開花

善通寺の朝焼け。
「朝焼け」は夏の季語だそうです。まだまだ夏を感じます。

前回の投稿(8/14)のときから、タテもヨコもひと周り大きくなりました。
前回と違い、品種名のラベルを葉が覆っています。

植物体をちょっとチェックです。
おっ。花が咲きましたね。思ったより少し早かったです。
ごらんのとおり「そらたかく」の花は白色です。ちょっと儚(はかな)げ。日本の品種で白花は珍しいです。
「そらたかく」はアメリカの品種が片親になっていて、そこから白花の性質が入りました。
他に白花の品種では北陸や関東での作付けが多い「里のほほえみ」があります。
前の投稿(7/18)で「そらたかく」は芽生えの茎が緑色(紫にならない)と書きましたが、実は白花の品種は芽生えの茎が緑色です。紫色の色素を作ら(れ?)ないからです。
以上、トリビアでした。・・・年齢がバレますね。

ちなみにこちらは「フクユタカ」の花です。
「そらたかく」とほぼ同じタイミングで開花しました。こちらは見慣れた紫色の花ですね。
なお、「フクユタカ」の芽生えの茎は紫色です(7/18の投稿をご覧ください)。
2025年9月3日(水曜日)/着莢

9月の声を聞いたのでアップです。
前回(8/22)にくらべて、植物体がまたちょっと大きくなりました。
写真ではちょっと分かりにくいですが、葉の緑色も濃くなって、光合成する気満々です(たぶん)。

恒例の、「植物体をちょっとチェック」です。
新しい花がまだ咲いていますが、咲き終わった花もたくさんついています。
茶色く見えるのが花びらの残骸です。

よく見ると小さな莢(さや)が伸び始めています。
大きいものでもまだ1cmくらいでしょうか。先端に、花の中で「めしべ」だった頃の名残の組織がしっぽみたいに残っています(矢印)。
なにか、ちょっとかわいらしい。
2025年9月16日(火曜日)/莢成長

「曼珠沙華今年の秋も曲りなし」 百合山羽公 「樂土」より
ということで、まだまだ暑いですが秋は着実に来ています。
・・・暑いですけども。

「そらたかく」は、十分な水とまだまだ力強い日差しを受けて、すごい勢いで光合成をしています(たぶん)。
植物体も大きくなって、前は見えていた名札が完全に覆われてしまいました。

恒例の、「植物体をちょっとチェック」です。
前回(9/3)は小さかった莢がだいぶ大きくなっています。ついている莢の数もまあまあ多そうです。

莢をいくつか取ってきました。
大きさは4~5cmというところ。かなり大きくなっています。

莢を割ってみました。種子、小さいです。まだこれからですね。
大豆では、まず莢のガワが大きくなって、その後で種子が大きくなるんです。
何となく、莢も種子もシンクロして大きくしたほうがいいような気もしますが、面白いですね。

おまけです。
善通寺の試験場近辺に住んでいるアオサギです。名前はまだありません。
時々、ほ場にザリガニとかまあまあ大きいフナとかをこっそり落として作業に疲れた私たちを楽しませてくるシャイなエンターテイナーはきっと彼女(もしくは彼。細めの体つきと短い冠羽からメスのような気がしています)です。