品種詳細
JM8
「JM8」は,マルバカイドウに「M.9」を交雑して育成されたリンゴわい性台木品種です。挿木繁殖が比較的容易で、「M.9」相当ないしやや強いわい化能力、高生産効率をもち、多収性で、高品質果実生産が可能です。耐水性は低く、「M.26」程度ですが、根部疫病には比較的強いことから、わい性台木の利用が可能なリンゴの栽培地帯全域への普及が期待されます。
主要特性
- 樹勢は中程度で、樹姿は開張性と直立性の中間を呈します。耐水性は低く、「M.9EMLA」より劣ります。挿木の活着率はマルバカイドウよりやや劣りますが実用的には問題は少なく、挿木による繁殖が可能です。挿木によって発生した新梢は直立し、生育良好で、1シーズンで台木として使用可能な大きさに達します。根部疫病、ACLSV、ASPV、斑点落葉病、黒星病、リンゴワタムシに抵抗性を示します(表1)。
- 本台木は「M.9」ないし「MM[106」相当の、やや強いわい化能力を有し、「ふじ」との接木親和性は良好で台勝ちを呈します。生産効率は「M.9EMLA」や「M.26EMLA」より高く、多収性です(表2)。
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本台木を用いた場合の「ふじ」の果実重は対照台木の「M.9EMLA」や「M.26EMLA」を用いた場合と大きな差はありません。硬度は対照台木よりやや高く、着色は中~良で、果実品質は比較的優れています(表3)。
樹姿
出願番号 (出願日) |
公表日 | 登録番号 (登録日) |
育成者権の存続期間 |
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8724 (1996年4月 2日) |
1999年3月12日 | 7445 (1999年9月21日) |
25年 (満了日:2024年9月21日) |
交配組み合わせ | 旧系統名 | ||
マルバカイドウ「セイシ」×M.9 | リンゴ台木盛岡8号 |
栽培適地
わい性台木の利用が可能なリンゴの栽培地帯全域
農林認定品種
登録番号 :りんご農林台11号
登録年月日:1996年8月21日
育成担当者
副島淳一、吉田義雄、羽生田忠敬、別所英男、土屋七郎、増田哲男、小森貞男、眞田哲朗、伊藤祐司、定盛昌助、樫村芳記
発表論文
- 果樹研究所研究報告11号, p.1-16(2010-08) : リンゴわい性台木の新品種'JM1'、'JM7'および'JM8'
- 園芸学会雑誌66別1:184-185(1997):リンゴわい性台木の新品種
- リンゴわい性台木新品種「JM8」