プレスリリース
日持ち性が極めて良いピンク色の カーネーション新品種を開発しました

- 消費者ニーズに応え需要の拡大を目指します -

情報公開日:2015年6月11日 (木曜日)

愛知県
農研機構
 

ポイント

  • 日持ち性は一般的な品種の3倍程度
  • 花色は需要の高いピンク色、ブライダルをはじめ幅広い用途が期待
  • 早生性で10月からの出荷が可能、年内収量も多く、高秀品率

 

概要

愛知県と国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(以下「農研機構」)は、日持ち性が極めて良いピンク色のスプレーカーネーション新品種「カーネ愛農1号」を共同で開発し、平成27年6月10日付けで、種苗法に基づく品種登録出願を行いました。

本品種は、日持ち性の良さを活かした「日持ち保証販売」にも十分対応できます。

 予算:運営費交付金、農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業「良日持ち性および萎凋細菌病抵抗性を有するカーネーション品種の開発」


詳細情報

開発の経緯

愛知県は全国第2位のカーネーション生産県で、出荷量は全国の約6分の1を占めています。一方、我が国のカーネーション市場は、輸入切り花の割合が増えており、平成24年には国内流通量の半数を超えています。この状況を打開するために、愛知県と農研機構は、平成18年から全国に先がけて日持ち性の良いスプレーカーネーション品種の共同開発に取り組みました。現地試験栽培では、愛知県花き温室園芸組合連合会カーネーション部会の協力を得て、平成27年に「カーネ愛農1号」を開発しました。

 

新品種の特徴

  • 日持ち性は一般的な品種の3倍程度と極めて良く、室温25°Cの条件下では3週間程度となります。
  • 花色は需要の高い“ピンク色”で、ブライダルを始め幅広く利用できます。
  • 開花が早く、1番花から茎の強度が高いので、愛知県では10月から5月までの出荷が可能で、年内収量が多くなります。
  • 茎の伸長性が良く、秀品率も高くなります。

普及計画

  • 愛知県では、平成27年11月頃から出荷を開始します。
  • 生産規模を順次拡大して、平成30年度までに愛知県で年間30万本の出荷を目指します。
  • 寒冷地作型(6月~11月出荷)の北海道を始めとして、全国への導入と生産規模の拡大を図り、本品種が周年市場へ出荷されることを通じて、輸入品からのシェアの奪還を目指します。

関連説明

  • スプレーカーネーションとは、1茎に5~6輪の花を咲かせるタイプのカーネーションです。フラワーアレンジメント、贈答用の花束などによく利用されます。
  • 平成25年のカーネーション国内流通量に占める輸入の割合は、52%と推定されています(出典:農林水産省「花き生産出荷統計」「植物検疫統計」)。
  • 「日持ち保証販売」とは、販売店が消費者に切り花の日持ちを一定の日数保証して販売するもので、量販店の一部で始まっています。
  • 愛知県のカーネーション生産は、作付面積50.5ha、年間出荷本数4,910万本(平成26年実績 出典:農林水産省)、産出額19億円(平成25年実績 出典:農林水産省)で、いずれも長野県に次いで全国第2位です。主な産地は、西尾市、田原市、碧南市、半田市です。

参考図

「カーネ愛農1号」