プレスリリース
(研究成果)平成28年度安全鑑定結果について

情報公開日:2017年6月30日 (金曜日)

概要

  • 平成28年度分の安全鑑定適合型式数は、177型式(10機種)であり、機種別の内訳は、表のとおりであった。
  • 「その他機種」に分類されたものは、8型式(3機種)であった。

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主な機種の特徴等

農用トラクター(乗用型)

平成28年度の安全鑑定適合機は、6社92型式(安全キャブ仕様のみ52型式、安全キャブ仕様及び安全フレーム仕様の両仕様40型式)であり、走行形式は車輪式が73型式、半装軌式(後輪のみ装軌)が18型式、装軌式が1型式であった。搭載機関の定格出力は16.1~191.0kW(22~260PS)、排気量は1.330~7.365Lであり、このうち機関出力74kW(100PS)以上の全体に占める割合は40%程度であった。排出ガス規制への対応では、19kW以上の規制対象88型式のうち、国内3次規制に対応したものが13型式、国内4次規制に対応したものが75型式であった。なお、排出ガス低減対策としては、ディーゼル微粒子補集フィルタ(DPF)、ディーゼル酸化触媒(DOC)、排気再循環(EGR)、尿素触媒還元(尿素SCR)の装置を単体、もしくは組み合わせて搭載していた。安全への対応では、乗用トラクタの転落転倒事故の一因である左右ブレーキの連結忘れを防ぐための片ブレーキ防止装置が、国産車の安全鑑定適合機65型式のうち64型式に、またオペレータが座席を離れると、主変速が中立となったり、走行を停止し駐車ブレーキが効くなどのシートスイッチが、国産車9型式、輸入車17型式にそれぞれ備えられていた。

コンバイン(自脱型)

平成28年度は、2条刈(機関出力12.5kW{17PS})1型式、3条刈(機関出力14.0~27.9kW{19~38PS})6型式、4条刈(機関出力25.7~37.1kW{35~50PS})5型式の計12型式の適合機があった。19kW以上の型式はすべてDOC(ディーゼル酸化触媒)を装備し、型式によってはDPF(ディーゼル微粒子捕集フィルタ)を併せて搭載することで、ディーゼル特殊自動車の排出ガスに対する国内3次規制に適合したエンジン(4次規制に適合済みのエンジンも含まれる)を搭載していた。オーバーヒート対策のためにラジエーターカバー内部に逆流ファンを備えたもの、食味・収量センサを備えたものや、さらにスマートフォンとの連携による営農支援機能を持つものがあったほか、小型の型式を除く10型式において、緊プロ開発装置である手こぎ部緊急停止装置を備えていた。

乾燥機(穀物用循環型)

平成28年度は、最大呼称張込量0.9~10.0tの、53型式の適合機があった。0.9~4.5t の14型式は熱風式で、その他の39型式は遠赤外線熱風併用方式であった。斜流式の送風機を使用したものが19型式、遠心式が25型式、軸流式が9型式であった。乾燥機では初の、非破壊の近赤外線水分計を搭載したものがあった。比例制御バーナー、風量インバータ制御を採用して灯油、電力の消費を削減したものや、排風に含まれている熱と湿度を再利用したヒートリサイクル機構を採用したものなど省エネ機能を搭載したものがあった。水分計がコンパクトになり、新たに穀温センサを搭載し、設定水分での停止精度が向上したものがあった。また、乾燥機の作業データを記録・管理できるものが増加傾向にあった。

その他機種

その他機種としては、乗用管理機、いぐさハーベスター、および多目的田植機(田植機の走行部に植付部や湛水直播機などの作業機を脱着できるもの)があった。