ポイント
農研機構は、 一般財団法人日本土壌協会と連携し、水稲をはじめ13品目に対応した高精度な土壌診断AIを開発しました。専門家による診断に基づく適切な土壌管理は、収量向上と環境保全に不可欠ですが、専門家不足により多くの地域・ほ場で的確な診断が行えない状況となっています。
開発した土壌診断AIによって専門家並みの精度でより迅速な診断が可能となります。適切な土壌管理が推進されることで、収量向上と環境保全を両立する持続可能な農業の普及が期待されます。
概要
農業生産において収量向上と環境保全を両立させるためには、土壌分析により土壌の物理性や化学性を把握し、生産する作物に最適な状態に近づけるための方策を示す土壌診断が重要です。土壌分析は日本土壌協会やJAなどに依頼することができますが、土壌分析の結果から収量低下の要因を的確に診断できる専門家の高齢化や人材不足が顕在化し、多くのほ場で診断・管理を行うことが困難となっています。
農研機構では、農林水産省のデータ駆動型土づくり推進事業(令和5-7年度) において(一財)日本土壌協会等と連携し、迅速な土壌診断を可能とする土壌診断AIを開発しました。
この土壌診断AIは、水稲や露地野菜など13品目に対応し、専門家による診断と比較して、いずれの品目でも90%以上の正答率を達成しています。さらに、AIの学習データに特定の産地や生産法人独自のデータを追加することで、地域や法人ごとに最適化された「特化AI」を構築できるシステムも開発しました。
現在、これらのAIは土壌医を対象に試験運用・評価と改良を進めており、令和8年度以降に(一財)日本土壌協会等と協力して社会実装を進める予定です。
※なお、本成果は農林水産省のデータ駆動型土づくり推進事業(令和5-7年度)によるものですが、その見解が農林水産省の見解と必ずしも一致するものではありません。
関連情報
予算 : 農林水産省 データ駆動型土づくり推進事業(令和5-7年度)
特許 : 特開2025-183028
農業ロボティクス研究センター
センター長中川 潤一
小越 将行、飯嶋 渡、三宅 康也、中野 有加、野田 晋太朗