プレスリリース
お茶の害虫(クワシロカイガラムシ)を適期に防除するための計器を開発

- 野菜茶業研究所とフルタ電機株式会社が共同開発 -

情報公開日:2008年7月23日 (水曜日)

独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構
野菜茶業研究所
フルタ電機株式会社

独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構(略称:農研機構)野菜茶業研究所(三重県津市、所長 望月龍也)とフルタ電機株式会社(本社 愛知県名古屋市、社長 古田成広)は、田畑の気温を継続して観測し有効積算温度をその場で表示できる有効積算温度表示器(写真)を開発しました。

茶栽培では、有効積算温度計測はクワシロカイガラムシの防除適期の把握に利用されております。本装置を利用すること で適期の防除が可能になり、農薬使用の適正化や、発生状況の観察に要していた労力の省力化が図れることから、安定生産や低コスト化、環境負荷の低減に役立 つことが期待されます。

この装置は農研機構交付金プロジェクト「消費者に信頼される生産体制を支える精密畑作農業技術の開発」により、フルタ電機株式会社と共同で開発しました。


詳細情報

【有効積算温度表示器の特徴】

  • 本体の液晶画面に現在の日時、気温、有効積算温度を表示できます。
  • 毎正時の気温によって計算した積算値({毎正時の気温-基準温度}÷24)により有効積算温度(日度)を1時間毎に記録し表示します。有効積 算温度の記録は2回路用意され、それぞれの回路で起算開始日、基準温度、3段階の警報積算温度を任意に設定できます。また、害虫用と作物用など、1台で2 つの用途に対応した有効積算温度を表示できます。
  • 設定された3段階の警報積算温度に達すると低い方からそれぞれ緑、黄、赤のLEDが点滅するため、有効積算温度がどの段階に達したかを容易に把握できます。従って、計測中の操作は不要です。
  • 設定した警報積算温度に達した日を過去5年分記録・参照できるため、有効積算温度推移の早晩を比較できます。
  • 鉛蓄電池と充電用太陽電池の組合せにより、電源のない場所にも設置できます。

【有効積算温度によるクワシロカイガラムシ防除適期の把握

クワシロカイガラムシ第1世代幼虫ふ化盛期は、発育零点(基準温度)を10.5度、起算日を1月1日とすれば、287日度の有効積算温度となり、その翌日から4日間程度が防除適期となります。

写真表