ポイント
- 加工品の保存時に問題となる黄変やたくあん臭が生じない育種素材「だいこん中間母本農5号」を育成しました。
- 本中間母本を育種素材として用いることで、黄変やたくあん臭の発生が見られない画期的な大根加工品の創出を可能とする品種の育成が期待されます。
概要
農研機構 野菜茶業研究所とお茶の水女子大学は、加工後の黄変やたくあん臭の発生が見られないダイコンの新たな育種素材「だいこん中間母本農5号」を育成しました。
ダイコンは加工後にたくあん臭を放出し、黄色の色素が蓄積されるようになります。生じた黄色は色むらを生じやすいため、たくあん漬では着色料による染色が必要となっています。また、業務用大根おろしや切り干しなどの加工品でも、長期冷凍保存時の黄変やたくあん臭の発生が大きな問題となっています。
このような品質低下は、ダイコンに含まれる4-メチルチオ-3-ブテニルグルコシノレート(4MTB-GSL)の化学的変化によるものです。「だいこん中間母本農5号」は、4MTB-GSLを全く含まないため、本中間母本を育種素材として利用することで、黄変やたくあん臭の発生が見られない画期的な大根加工品の創出を可能となる新たな品種の育成が期待されます。
予算
農林水産省委託プロジェクト研究「低コストで質の良い加工・業務用農産物の安定供給技術の開発」
特許
特願2012-068981