要約
野菜茶業研究所では、茶の新芽を加害する害虫を物理的に捕獲する送風式捕虫機と飛散防止用のエアーカーテンをそなえ農薬の減量散布を可能とする送風式防除機を開発しました。
農薬による環境負荷、食の安心・安全に対する関心が高まっています。茶の病害虫防除には化学合成農薬が使用されていますが、農薬の散布作業は重労働なうえ、自然風による飛散などの問題があり、農薬散布の軽労化と農薬の飛散を防止するするなど、環境にやさしい防除機としました。
送風式捕虫機の開発
茶樹の刈り取り面にウォーターアシスト機構により水滴を含ませたミスト風を吹き付け、吹き飛ばした害虫を回収袋で捕獲あるいは圧死させます。新芽に生息する害虫を除去でき、カンザワハダニ雌成虫の除去率は80%と高い作業結果が得られました。
送風式防除機の開発
送風機とウォーターアシスト機構により、散布液の葉層内部への到達性を高め、慣行の散布量を半減するとともに、エアーカーテンによって農薬飛散を防止します。なお、散布作業は従来の同規模の防除機と変わらない25分/10aという作業効率で行うことができます。