プレスリリース
ナスの全ゲノムを解読

- 世界初の成果、新品種開発に弾み -

情報公開日:2014年9月19日 (金曜日)

ポイント

  • 日本では重要な野菜の一つであるナスの全ゲノムを世界で初めて解読しました。
  • 約4万2千の遺伝子の存在を明らかにし、病害抵抗性や食品の機能性に関わる遺伝子を多数見いだしました。
  • 今回見いだされた遺伝子の情報を利用することで、新品種の開発が加速化します。

概要

中生真黒(なかてしんくろ) ゲノムを解読したナス品種
「中生真黒 (なかてしんくろ) 」

農研機構と公益財団法人かずさDNA研究所は、共同でナスの全ゲノム (生物の設計図) の解読に世界に先駆けて成功しました。

海外では、同じナス科作物の中でもトマト、トウガラシ、ジャガイモの研究が先行して行われていましたが、ナスは、これらの南米を起源とする多くのナス科作物と違い、アジア原産の野菜であり、日本の各地で特徴的な地方在来品種が栽培されているなど、我が国にとって重要な作物になっていることから、今回の取組が進められていました。

今回、ナスの全ゲノムの配列を解読するとともに、約4万2千個の遺伝子の存在を明らかにし、病害抵抗性に関わる遺伝子や機能性成分の合成などに関わる遺伝子を多数見いだしました。

今回明らかとなった遺伝子の情報を活用したり、今後、得られたゲノム配列情報をもとに、未だ解明されていない遺伝子の機能を明らかにしたりすることで、例えば広く流通しているF1品種や地域に定着している地方在来品種に、病気に強い特性や食品としての機能性の高い特性などを持たせる新品種開発の加速化につながります。

研究内容の詳細は国際科学専門誌 「DNA Research」 電子版 (日本時間2014年9月19日午前0時) に掲載されます。
なお、本研究成果の一部は、農水省委託プロジェクト 「新農業展開ゲノム」 および生研センター 「基礎研究推進事業 (一般型) 」 の資金によって得られたものです。