「旬」の話題

「りんご」のお話

ringo-top01.png 寒い季節になりました。今回のお話は、栄養豊富な果物「りんご」です。外国のことわざで、An apple a day keeps the doctor away(1日1個のりんごは医者を遠ざける)といわれるくらい、りんごには栄養があります。りんごの旬は品種によって若干異なりますが、9月~2月頃で す。年間通して手に入りますが、この時期のものは香りが良くおいしいです。

りんごの起源・原産地

りんご(学名:Malus pumila Mill.)は、バラ科リンゴ属の落葉高木樹です。ringo-top02.png
世界で古くから栽培されており、トルコでは紀元前6000年前頃のりんごが炭化した状態で発見されています。原産地は、中央アジア地方などの寒冷地で、りんごは涼しい気候を好み、日本では、主に北海道や東北地方、長野県などで栽培されてきました。
日本へは平安時代以降に中国から、酸味の強い「ワリンゴ」と呼ばれる小さなりんごが伝わりましたが、現在の栽培りんごとは種類が違います。明治時代に入り、アメリカから「西洋りんご」の苗木を輸入し、現在一般的に出回っている大きなりんごが栽培されてきました。

りんごの種類・特徴

日本で主に収穫されている、りんごの品種と特徴です。

品種名 特徴
「ふじ」 「ふじ」は日本で最も多く生産されている品種で、りんご生産量の半分以上を占めています。重さ300~350g、果皮色は褐紅色に鮮紅色の縞が 入っています。甘みと香りが強く、果肉は締まっていて歯ごたえがあります。果汁も多く、みつ入りのものは特においしいです。貯蔵性にも優れています。ま た、この「ふじ」は農研機構 果樹研究所が育成しました。
「つがる」 「つがる」は、「ふじ」の次に多く生産されている品種です。重さ300~350g、果皮色は紅色で鮮紅の縞が入っています。果汁が多く甘みがあります。果肉は軟らかく、酸味が少ないので食べやすいです。
「ジョナゴールド」 重さ350~400g、鮮紅色のやや縞状に着色します。アメリカ産のりんごで、多汁で歯ごたえは少なめです。さわやかな酸味と甘みがあり、生食とともにお菓子や料理にも向いています。
「王林」 重さ250~300g、果皮色は黄緑色で表面にポツポツした点があります。甘い香りがし、果汁が多く、酸味が少なくて甘みが強いのでおいしいです。肉質がやわらかく、サクッとした食感が楽しめます。
「紅玉」 「紅玉」はアメリカ品種「ジョナサン」の別名です。重さ200g前後、果皮は鮮やかな赤色をし、光沢があります。酸味が強く、芳香があり、煮崩れしにくいので、アップルパイやジャムなどお菓子作りによく使われます。

 

りんごの収穫量

りんごの都道府県別収穫量割合(2009年)

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資料:農林水産省「平成21年産りんごの結果樹面積、収穫量及び出荷量」[PDF:298KB]

りんごの効能

りんごには、カリウムやビタミンC、食物繊維といった成分が含まれており、高血圧の予防やコレステロールの低下に役立ちます。
りんごポリフェノールには抗酸化作用、リンゴ酸には疲労回復効果、ペクチンには整腸作用など様々な効果をもっています。

おいしいりんごの見分け方

見分け方は、色・形が良く、果肉がしまり、つるが太く持ったときに重いものがおすすめです。つるがみずみずしく、はりのあるものは新鮮な証拠です。
みつ自体が甘いわけではありませんが、みつが入った実は甘くて香りがあり、果汁が多く味が良いとされています。みつは気温が低い産地の「ふじ」や「北斗」に見られます。

大果で甘味が多く食味の優れるリンゴ新品種「もりのかがやき」

ここでは、農研機構 果樹研究所が育成したリンゴ新品種「もりのかがやき」をご紹介します。

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写真:左「もりのかがやき」の結実状況、右「もりのかがやき」の果実

品種育成の背景

高品質な果実に対する消費者のニーズは高く、その一方で、着色管理の省力化が可能な黄色品種への生産者の関心が近年高まっています。そこで、成熟期が異なる高品質な黄色品種のシリーズ化を図るために、外観や食味が優れる黄色の中生品種を育成しました。

「もりのかがやき」の主な特徴

果皮の色は黄色で、果実が大きいです。多汁で酸味が少なく、糖度が高いので甘みがあります。香りがよく、果肉はサクサクしています。収量が多く果実の日持ちが良いです。

「もりのかがやき」に関する情報

新品種紹介 リンゴ「もりのかがやき」[PDF:2.04MB]