「旬」の話題

食欲の秋に食べたい「果物・野菜」

10月になって、すっかり秋らしくなりました。

秋といえば、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか?

スポーツの秋、読書の秋とも言いますが、 やっぱり食欲の秋!という方も多いのではないでしょうか。

今回は夏に引きつづき、 (独)農研機構の研究の中から、秋に収穫できる

kakiカキ」「imoサツマイモ」「nasiナシ」をご紹介します。

大きな果実で非常に食味の良い甘ガキ「太秋(たいしゅう)」

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カキには品種によって甘ガキと渋ガキがありますが、どちらにも最初は渋があります。甘ガキは、実が熟したり、種ができたりするあいだに渋が変化して甘くなります。また、渋ガキも樹上でやわらかくなるまで待ったり、干し柿にしたり、アルコール、炭酸ガス(ドライアイス)などの渋抜き法を使うことで甘くすることができます。

今回紹介する「太秋(たいしゅう」は、(独)農研機構 果樹研究所が育成したカキの品種です。甘ガキの代表品種「富有」の1.5倍程度と実が大きく、サクサクとした独特の歯ごたえがあり、非常に食味のよい完全な甘ガキです。

 

手軽においしいサツマイモ「クイックスイート」

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石焼いもがなぜ甘くておいしいか、皆さんはご存知ですか?サツマイモのデンプンは熱によって食品中のデンプンがのり状になること(糊化:こか)で甘くなります。そして、より甘くするためには60度から80度の温度でゆっくりと焼くのが良いのです。その点で、石の中でじっくり焼く石焼いもは、最適な調理法なんですね。

でも、もっと家庭で手軽に、しかも甘く調理できればいいなと思いませんか?

そこで、(独)農研機構 作物研究所では、糊化する温度が50度~70度のサツマイモ「クイックスイート」を育成しました。他の品種より低い温度でも甘くなるので、短時間で加熱する電子レンジでも簡単に調理ができる手軽さです。また、甘さを利用してお菓子を作ることもできます。

 

実が大きく、食味もよい甘いナシ「王秋(おうしゅう)」

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日本のナシといえば、どんな品種を思い浮かべますか?やはり、「幸水」「豊水」でしょうか。平成18年度の日本なしの収穫量をみてみると、この2種類で約64%をしめています。

しかし、それぞれ品種として登録されたのは、幸水1959年、豊水:1972年と歴史の古いものです。さらにおいしい、病気に強くて育てやすい、大きい品種のナシはつくれないものか、新しい品種の研究、育成は日々行われています。

(独)農研機構の果樹研究所では、実が大きくて甘いナシ品種「王秋(おうしゅう)」を育成しました。この品種は「幸水」や「豊水」よりも遅く収穫できるうえに食味がよいので、品種を変えながら長い期間ナシを楽しむことができます。

 

fruit2 食べすぎには注意しつつ、秋の味覚を楽しみましょう。