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お正月だけじゃない黒豆

おせち料理では定番の黒豆。一年中入手できる栄養豊かな食材ですが日常的に使われているとは言えません。九州では今、新品種「クロダマル」の生産が広がり、新しい料理メニューや製品の開発が盛んです。皆さんも黒豆で健康生活はいかがですか。

新しい黒大豆「クロダマル」

黒豆は種皮が黒色の大豆品種です。普通の大豆と同様にタンパク質やイソフラボンを多く含み、黒色のもとになっているアントシアニンはポリフェノールの一種で健康に良いとされています。兵庫県丹波地方に起源を持つ「丹波黒」、北海道の「中生光黒」などの品種が知られていますが、これまで九州などの暖地に適した良い品種がありませんでした。そこで農研機構九州沖縄農業研究センターでは暖地向けの極大粒黒大豆品種「クロダマル」を育成しました。種皮に光沢があり、アントシアニンが一般的な黒大豆と比べて多いという特徴があります。「クロダマル」の生産は増加中です。

「クロダマル」を使った製品・料理メニュー

「クロダマル」は煮豆にした時に美しい光沢を持ちます。また、煮豆の製品歩留まりが高い大豆です。豆腐、納豆、きな粉などにも適しています。昨年12月に「クロダマル」を使った煎り豆が大手小売業者から販売され、全国の店舗・インターネットで購入できるようになりました。

面白いのは、こうした一般的な黒豆の使い方に加え、様々な個性ある料理メニューや製品開発が始まっていることです。おせち料理の黒豆(煮豆)は江戸時代に江戸の高級料亭「八百善」が考案したものといわれています。新しく創られているメニューや製品の中から、次の名物が生まれるかもしれません。

 

服部栄養料理研究会 服部津貴子先生監修のレシピから


炒り黒豆 五目ご飯

黒大豆のポタージュ

黒豆ショコラ

鶏肉と炒り黒豆の炒め物

 

九州黒大豆プラットフォーム

九州では「クロダマル」を生産し、加工販売にも取り組む農業の6次産業化の事例が増えています。そこで、農研機構九州沖縄農業研究センターは黒大豆の生産・加工・販売・研究開発などに取り組む各社の連携強化のため、九州黒大豆プラットフォームを設立しました。クロダマルのWebサイトでは、「クロダマル」についてのもっと詳しい情報、上記写真以外のメニューやレシピもあります。皆様もご覧になって是非「クロダマル」をお試し下さい。