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農研機構生まれ シャインマスカットの魅力に迫る!!

農研機構生まれ シャインマスカットの魅力に迫る!!

最近スーパーや青果店でよく見かけるようになった、ブドウ「シャインマスカット」。実はこのシャインマスカット、農研機構の果樹茶業研究部門で生まれた、2006年品種登録のまだまだ新しい品種なんです。市場に登場してからわずか10年あまり。シャインマスカットは2014年以降、ブドウ品種で栽培面積が第4位となるなど、急速に全国で人気が広がっているその理由に迫ります。


糖度18度以上!強い甘みが自慢

シャインマスカットの糖度は18度以上ですが、酸味が少ないことから、"ブドウの王様"巨峰にも負けない強い甘みを楽しめる品種です。

爽やかなマスカット香

欧州ブドウに由来する、爽やかなマスカットの香りが特徴です。露地栽培できるマスカット香のブドウ品種は珍しく、話題となっています。

大粒で歯ごたえも抜群

巨峰にも迫る大粒サイズのシャインマスカットは果肉がしまり、サクッとした歯ごたえ。噛んだ瞬間、口の中いっぱいに甘い果汁が広がります。

皮ごと食べられるパリパリ感

皮の渋みが少ないため、パリッと皮ごと食べられるのが魅力。皮をむく手間がないので、手を汚さずにパクパク気楽に食べられると評判です。

種なし栽培も可能

種なし栽培も可能なシャインマスカット。種なしブドウは子どもからお年寄りまで食べやすく、贈り物としても好評。お菓子作りにも最適です。

種なし栽培のシャインマスカット。縦も横も断面が美しく、みずみずしい


クレオパトラも愛したと言われるほど、歴史あるフルーツの一つ、マスカット。しかし多雨の日本ではマスカットに代表される欧州ブドウは育てにくく、いわゆるマスカットの香りのするブドウはあまり栽培されてきませんでした。日本での栽培に適した米国ブドウと交配しても、一般に米国ブドウ独特の香り(巨峰やキャンベルアーリーと同様の香り)となり、マスカット特有の香りにはなりません。
そんな中、農研機構が約30年という年月をかけて育成したのが「シャインマスカット」です。マスカット香にしっかりとした噛みごたえという欧州ぶどうの特徴を持ちながら、日本国内で露地栽培も可能という画期的な品種! そのおいしさと育てやすさで、2006年に品種登録されて以来、ブドウ農家はもちろん、一般の方にも注目されています。

育てやすさでブドウ農家のハートをキャッチ!

皮ごと食べられ裂果しにくい

多雨の日本では、皮ごと食べられる欧州ブドウは、裂果(果実が割れること)が発生しやすいもの。そのためガラス室やビニールハウスで管理して育てる必要がありました。しかしシャインマスカットは皮ごと食べられる特性を持ちながら、裂果を起こしにくく、露地または簡単に雨除けのビニールで覆うなどでの栽培が可能です。

病気に比較的強い

また雨はブドウの病害を引き起こす原因となりますが、シャインマスカットは主要病害の「べと病」に対し、巨峰と同程度に耐病性が強いという特徴を持っています。

緑色なので着色管理を省力可能

ブドウ農家を悩ませる作業のひとつに、「着色管理」があります。巨峰やピオーネなどの黒色品種や、デラウェア、甲斐路などの赤色品種は着色系ブドウと呼ばれ、それぞれのブドウ特有の色がはっきりと出ているものが消費者に好まれます。果実の色づきには気温や日照、着果量などさまざまな要素が関係していると言われ、その管理には大変気を遣います。その点、シャインマスカットは、着色しない緑色品種。着色管理を省力できます。

全国で改良が進む栽培技術

栽培技術の改良も各地で余分な枝を切り落とす剪定、種なしにするジベレリン処理、果粒を大きくしたり房型を整える花穂整形や摘粒など、美味しい「シャインマスカット」を作るには欠かせない作業です。これらの栽培技術は全国各地で日々改良が重ねられています。収穫する基準や目標とする房の大きさも産地によって少しずつ違うので、産地ごとに食べ比べてみるのも面白いかもしれません。

まだまだある!
農研機構生まれのフルーツたち

あまり知られていませんが、世界一のリンゴ※「ふじ」、栽培面積で日本梨の40%を占める「幸水」と27%の「豊水」、国内で最も多く栽培されているモモ「あかつき」も、人気の「不知火(デコポン)」もみんな農研機構の生まれ!新し物好きな人、フルーツに目がないという人は、農研機構のHPをチェック!

※「ふじ」は日本での栽培面積52%を占め(平成27年現在)、世界で最も多く栽培されている品種です