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研究を支える農業エキスパート ~ 若手座談会 ~

フレッシュなやる気と熱意で研究活動を支えていく

技術支援部には若手からベテランまで多くの職員が所属しています。
今回は、4人の若手職員に仕事への思いや今後の目標などを聞きました。

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農研機構を就職先として選んだきっかけを教えてください。

森山高校で果樹栽培を学び、農業大学校に進学後は畜産を勉強していました。漠然と農業に携わる仕事をしたいと考えていた中、先生から紹介されたのが農研機構でした。全国の拠点で多様な研究を行っており、その支援ができる点に魅力を感じ、入構を決めました。

緒方森山さんとは農業大学校の同級生で、私も先生からの勧めがきっかけです。学生時代に経験した水稲栽培の知識を生かしながら、さまざまな栽培経験を積めると思い、入構しました。

和田私はつくば市出身で研究学園都市の中で育ったこともあり、研究所で働くことが長年の夢でした。大学では動物の治療に関する分野を学んだので、農研機構で動物関連の研究支援に携わりたいと考えました。

新田高校では土木分野について勉強し、鉄道会社で技術職員を務めた後、農業大学校に進学して園芸学を学びました。技術支援職を選んだのは、私たちの生活に欠かせない食と農の研究を支える仕事に魅力を感じたからです。最近は農業と土木のつながりが見えてきて面白さが増しています。

仕事の進め方や担当している業務について教えてください。

新田支援業務を行う上で、研究の目的を理解することが非常に大切です。私が所属する部署では、年度の始めに研究者の方々と打ち合わせを行い、研究目的や内容、年間を通した栽培管理のスケジュールを共有します。スケジュールを見ながら、日頃から研究者と密に連携して作業を進めています。

緒方農作業は天候に大きく左右されるので、研究者とのコミュニケーションは重要ですよね。常に天気予報を確認しておいて、予報によっては作業内容の変更を相談することもあります。

森山私が携わっている豚の分娩においては、豚の健康状態を報告したり、研究内容に応じて与える餌の量や定期予防接種のタイミングを調整したりといった連携を行っています。食べ残した餌の量や体重も重要なデータなので、計測と研究者への報告は欠かせません。

和田私は、以前は香川県にある善通寺研究拠点でみかんの栽培管理に携わっていたのですが、そこでは業務に必要な資格を数多く取得しました。ユンボ(パワーショベル)や高所作業車の運転資格など、取得した資格の数は20以上になります。簡単な道の補修工事なども自分たちで行っていて、扱える乗り物が年々増えてきています。

試行錯誤をしながらも日々成長を実感。
研究に貢献できた喜びを糧にしていく。

どのような時に喜びや、やりがいを感じますか。

緒方研究機関ならではの機械に触れられる時です。大型トラクターや最新の農業機器など、一般農家ではなかなか扱わない機械が農研機構には揃っています。経験とともに思い通りに動かせるようになってきて、作業がスムーズに進んだ瞬間はやりがいを感じます。

和田研究者の皆さんに喜んでもらえることが、何よりもやりがいです。香川県に配属されていた時、研究者のリクエストを受けて、土壌中の水分を測る計測器の精度を高めるための工作物を作りました。「おかげで研究が上手くいった」と言われた際の喜びは今でも忘れません。

森山研究の順調な進行に貢献できた時はうれしいですよね。豚は体調を崩しやすいので、元気に走り回る姿を見ると安心します。大人だと体重が100~300kgとなる豚の世話をするには体力を要しますが、研究者から感謝されると頑張ってきてよかったと思います。

新田私も研究者から信頼を得て、栽培管理や収穫作業を任せてもらえるようになると成長を実感します。また、誰一人怪我なく作業を終えるのも大切なことです。「助け合って楽しく安全にいい仕事を」という思いを胸に、先輩や研究者の方々と協力しています。

今後の目標をお願いします!

緒方農研機構は国の研究機関ということもあり働きやすい環境です。これからも幅広い経験を積みながら知識・技能を高めていきたいです。

森山農研機構ではさまざまな職種が協力して研究を進めており、人としても多くを学べる環境だと思います。今は畜産に関わっていますが、今後は作物栽培も経験して知見を広げたいです。

新田科や拠点によって扱う内容はさまざまで、多様なキャリアを積める点が魅力ですよね。身につけた技術や知識をしっかり自分のものにして、研究に貢献していきたいです。

和田私は異動を経験した身ですが、勤務地が変わるたびに新たな仕事に出会えてわくわくします。将来の農業や暮らしに役立つ研究を支援する仕事に興味がある方には、農研機構はぴったりの場所だと思います。

座談会参加者メンバー写真

広報誌「NARO」No.36掲載 記事