今、日本の食卓を守るべく「野菜を大きく育てる」ための研究が進んでいます。
大きくなることで収量が増え、野菜の食料自給率向上などうれしい未来につながります。
新技術がつまった研究の裏側をご紹介します。
新たな栽培技術でブロッコリーを大型化!
栄養価が高く人気のあるブロッコリーですが、加工・業務用は価格の安い輸入冷凍品を利用することが多く、輸入量は10年間で2倍以上に増加しています。国内で多く流通している青果用は、サイズや見た目の規格が厳しい上、収穫作業の機械化が難しく、生産に多大な労力がかかります。加工・業務用の国産化のために、少ない手間で多くの収量を得るための技術が求められていました。
そこで取り組んだのが、ブロッコリーを小房ごとに分けたフローレット状での収量を増加させる「大型花蕾生産技術」の開発です。花蕾の大型化に適した品種を選抜し、小房に分かれた状態での利用を想定した新たな収穫、出荷方法が編み出されました。その結果、労働力に対する生産性は約3倍にアップ。輸入品に対抗できるコストカットが実現可能であることが示されました
「放っておくだけ」でおいしく大きく育つ
青果用の出荷では「Lサイズ12cm」などと定められています。これ以上大きくすると、通常は緩んだりして品質が低下してしまいますが、今回、大型化に適した品種を用い、栽培期間を延長することで、最大20cm程度まで大型化することが可能になりました。フローレット状にすると約3倍の収量を得られます。
収穫・出荷方法の見直しで労働力6割カット!
従来の青果用では、サイズを選別しながら1つずつ手で収穫、丁寧に梱包していました。しかし、加工・業務用であれば多少サイズや見た目にばらつきがあっても問題なし。一斉収穫が可能となったほか、茎の長さをそろえながら収穫する必要がなくなり、コンテナの梱包の手間も省かれました。
従来はサイズをそろえて丁寧に梱包していましたが、その工程が省けるようになりました
大型化に適した品種を全国へ普及
大型化栽培において重要なのは、適切な品種を選択することです。
標準作業手順書(SOP)では、実証試験で行った栽培実験データをもとに、適正品種や栽培方法について分かりやすく解説しています。
Message
常識を疑うことで実現した研究。
信念を貫いて大型化に成功しました!
野菜花き研究部門 露地生産研究領域
スマート生産グループ 髙橋 徳 主任研究員
とある研究の最中にブロッコリーが大きく育つ様子を目にし「大型化に成功したら収量がアップするかもしれない」と本研究を発案しました。大きいブロッコリーは規格外という常識があり、周囲からは疑いの声も。しかし自分を信じて進めるうちに賛同者が増え、実現できました。前提を疑う姿勢で、今後も国産ブロッコリーの生産強化に貢献していきたいです。
指定野菜に追加され、注目の集まるブロッコリー
2026年4月に、ブロッコリーが指定野菜に追加されました。指定野菜とは、国民の食生活に欠かせない重要野菜として国が指定している品目のこと。消費量増加や、冷凍食品・業務用需要の拡大を受けて追加へと至りました。新たな指定野菜が追加されるのは、じゃがいも以来52年ぶりです!
