九州沖縄経済圏SFCプロジェクト

イチゴの輸出促進に向けた課題解決と産地拡大

1. 背景・課題

  • 近年、イチゴの輸出量が増加していますが、現状では国内向けのロットが輸出に回されるケースが多く、戦略的な取り組みであるグローバル産地化は進んでいない状況です。このため、高品質で輸送適性に優れているものだけが必ずしも輸出されている訳ではなく、輸出先での果実の損傷等による品質劣化等の問題も生じています。また、品種に適した環境条件で栽培していないために輸送適性が十分に発揮できない事例も少なくありません。
  • このような背景から、本課題では、高品質で輸送適性に優れたイチゴ果実を安定的に輸出できるようにするために、大果で果実の揃いと日持ちが良く輸出にも適した品種「恋みのり」をモデルケースとし、輸送適性の評価手法を確立した上で、プレハーベストの環境情報から輸送適性を予測する手法の開発に取り組みます。
  • モデルケースとした「恋みのり」については、栽培面積が増加するにつれて「がく枯れ」(※)などの障害果の発生が問題になってきました。このため、「がく枯れ」発生要因の解明と防止技術の開発にも取り組みます。
    ※下記写真右のように収穫期に「がく」が枯れる症状です。果実品質・食味には問題ありません。

2. 目標・事業化に向けた取組、技術によって想定されるビジネスモデル

  • プレハーベスト生育環境情報を利用して輸送適性を予測する技術を開発します。
  • 「恋みのり」のがく枯れ発生防止技術を盛り込んだ標準作業手順書(SOP)を作成します。
  • 技術の開発は、グローバル産地化を目指す安定した生産体系の構築に役立てていただくことを目的として行います。

3. プロジェクトに参画する関係者

農研機構九州沖縄農業研究センター、長崎県農林技術開発センター

4. プロジェクトに関する写真

振動試験機を使った輸送適性の評価
「恋みのり」のがく枯れ