九州沖縄経済圏SFCプロジェクト

リーファーコンテナ青果混載技術の開発

1. 背景・課題

生鮮青果物の船便輸出において、一般的には複数品目を混載して輸送します。しかし,青果物は品目ごとに流通特性が異なります。特に、カンショなどの低温障害を呈する品目,リンゴなどのエチレン生成が活発な品目を混載する際には注意が必要です。 本研究では、これらの問題に対処するため、福岡、熊本、鹿児島県における輸出が有望視される青果物品目について、それらの貯蔵特性(温度、エチレン生成、エチレン感受性など)を一覧にした品目カルテを作成した(2020年7月現在,40種類の品目・品種に対応)、また、例えば0°Cと13°C など、二つの輸送温度を1台のコンテナで実現可能な2温度帯コンテナを開発した、さらに、品目カルテ情報を内包し、需給情報共有機能などを持つ産地広域連携輸出システム(現在構築中)を用いて、品目カルテおよび需給情報から最適な輸出混載品目のパッケージを提案する機能についても実装する予定です。

2. 目標・事業化に向けた取組、技術によって想定されるビジネスモデル

産地広域連携輸出システムから提案される輸送最適温度などを配慮した輸出混載品目のパッケージ情報を基に、2温度帯コンテナを用いた生鮮青果物の船便輸出を実施します。「適温流通による輸送ロス低減」と「積載率向上による輸送コスト低減」を両立した船便による青果物輸出システムを構築します。

3. プロジェクトに参画する関係者

  • 国立大学法人九州大学
  • 福岡県農林業総合試験場
  • 熊本県農業研究センター
  • 鹿児島県大隅加工技術研究センター
  • NECソリューションイノベータ
  • 西日本鉄道株式会社
  • 九州農産物通商株式会社
  • 農研機構食品研究部門

本研究は、「革新的技術開発・緊急展開事業(うち地域戦略プロジェクト)」農産物輸出拡大にむけた産地広域連携モデルの構築と混載輸送用コンテナの開発および革新的輸出用ケース・鮮度保持技術を組合せた大量輸送グローバルコールドチェーンの確立(管理法人;農研機構生研支援センター)および総合科学技術・イノベーション会議のSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)「生産から流通・消費までのデータ連携により最適化を可能とするスマートフードチェーンの構築」(管理法人;農研機構生研支援センター)によって実施しました。

4. プロジェクトに関する写真

図1.2019年12月実施の大規模蔵置試験(福岡市、博多ふ頭にて実施)
図2.開発した2温度帯コンテナ