国際競争力強化技術開発プロジェクト
事業概要
【令和2年度補正予算額 2,700百万円】
対策のポイント
農業の国際競争力の強化に向けては、スマート農業等の先端技術の社会実装を加速化し、拡大する海外の食料市場を視野に入れつつ、人口減少社会を迎えて脆弱化が懸念される国内の食料生産基盤の強靱化を図る必要があります。このため、担い手の高齢化や労働力不足に対応した革新的で省力的なスマート農業技術や、国際競争力強化につながる栽培技術や新品種の開発を行います。
事業の内容
本事業は大きく3つの柱(革新的スマート農業技術開発のうち、新たなスマート農業技術開発、革新的営農支援モデル開発及び輸出促進のための新技術・新品種開発)から構成されます。
1. 革新的スマート農業技術開発
(1) 新たなスマート農業技術開発
担い手の高齢化や労働力不足に対応する革新的で省力的なスマート農業技術や、国際競争力の強化につながる革新的な技術の開発を行います。
(2) 革新的営農支援モデル開発
様々なデータを活用した農業者や流通事業者等が求める生育・収量・出荷・需要予測などの革新的営農支援モデルの開発及び農業データ連携基盤(WAGRI)へ実装を行います。
2. 輸出促進のための新技術・新品種開発
農研機構が中核となって、全国の公設試験場等と連携して、輸出額目標の実現に必要となる輸出先国の規制等にも対応しうる防除方法や栽培技術等の開発及び最先端の育種技術の導入・活用により、育種スピードを早めて、輸出先国のニーズに合わせた優良な品種を開発します。
事業の流れ
1. 革新的スマート農業技術開発
(1)新たなスマート農業技術開発
(2) 革新的営農支援モデル開発
2. 輸出促進のための新技術・新品種開発
研究成果概要(完了課題)
1. 革新的スマート農業技術開発
(1)新たなスマート農業技術開発
- 安全安心な農業用ハイスペックドローン及び利用技術の開発
- 農作物に適したロボットアーム等を活用した農作業自動化技術の開発
- AIを活用したスマート除草システムの開発
- 農地基盤のデジタル化によるスマート農業の機能強化技術の開発
(2)革新的営農支援モデル開発
【野菜】
- 施設野菜の生育収量予測APIにおける多品種対応技術の開発
- ブロッコリー、タマネギの生育予測を活用した生産管理・出荷調整支援システムの開発
- 革新的営農支援モデル開発
- 総収量予測と栽培指導が可能な栽培支援システムのイチゴ産地での実証と出荷予測が可能な営農支援モデルの開発
- WAGRIを活用した栽培技術情報提供サービスの開発
- AI市場予測を活用したスマート営農支援技術の開発
【果樹】
【水田作】
【環境】
2. 輸出促進のための新技術・新品種開発
【畜産】
- 黒毛和種牛の肉質差別化指標開発とゲノミック評価手法の高度化による肉質・繁殖能力の改良技術の開発
- 和牛肉輸出拡大に向けた性選別精液利用受精卵の受胎率改善による和牛生産力強化
- 和牛肉の輸出拡大に向けたスマート放牧による素牛増産技術の開発
- 安全で高品質な牛乳の生産量を確保するための乳房炎ワクチンの開発
【果樹・茶】
- 春節に向けたシャインマスカット輸出を拡大する長期貯蔵技術の開発
- 硬肉モモ等の輸送に適したモモ品種・系統の育成および最適な軟化制御・鮮度保持技術の開発
- 省力樹形に適した果樹品種・系統の選定と最適な栽培管理方法の開発
- 二番茶、秋冬番茶の輸出を可能とするIPM体系の開発
- 国際競争力を強化する果樹茶新品種育成
【作物・野菜】
- 日本品種の優れた品質と輸送性を持つ輸出向け種子繁殖型ジャパンブランドイチゴの開発
- 米粉向け品種・技術を活用した米生産から加工利用までの生産技術体系の開発
- 業務加工用向け大玉タマネギ系統の育成と大玉生産技術の開発
- 国際競争力強化へ向けたかんしょ生産の安定化と高品質化に係る系統の育成と栽培技術の開発
- 大豆生産基盤強化のための極多収品種の育成
- 品種開発の加速化、自動化を実現するスマート選抜技術の確立