土5A1:西谷内農場ほか【北海道・岩見沢市】

実証品目: 水稲、タマネギ、小麦、豆 | 実証面積:24.97ha

実証課題名
土壌診断(化学性・物理性)及びリモートセンシング活用による化学肥料削減プロジェクト
構成員
(株)スマートリンク北海道、(有)西谷内農場、齊藤農場、池田農園、(株)パスコ、JAいわみざわ、北海道大学、(株)クボタ、エアロセンス(株)、北村輸送(有)、岩見沢市、空知農業改良普及センター

背景・課題

  • 近年の農業資材高騰に対し、化学肥料の減量に加え、水田転換作物の収量向上に向けた土壌物理性環境の向上が必須
  • 堆肥投入実施農家では、収量向上の結果が見られ、さらに地域内で実験数値に基づいた計画的投入のニーズが高い一方、
    • ①化学肥料の削減は人工衛星、ドローンの活用によるNDVI 値から可変散布マップを作成の上対応しているが、土壌条件(保水性・排水性)不良箇所ではその効果は発揮されず、無駄な追肥となってしまう。
    • ②土壌物理性の改善により、作物生育環境が向上する事例は多くあり、これには有機質資材(堆肥)投入を行うことが適しているが、堆肥の肥料成分を考慮した施肥設計が行われていない。
    • ③堆肥散布における費用負担軽減方策(作業委託)、経営改善効果(収量・品質向上、資材費削減)が明確となっていない。
岩見沢市の施肥作業風景

本実証プロジェクトにかける想い

近年の農業資材高騰や米価格の低下が、生産者の経営を圧迫。この状況を解決するために、化学肥料を減らし、代わりに堆肥を用いた栽培体系を構築する。これにより、土壌の化学性だけでなく、土壌物理性の改善も期待でき、収益向上にもつながる。現状では、圃場の土壌診断結果と施肥設計の紐づけが不十分であり、堆肥散布の効果との関係も明らかとは言えない。本実証では、これらの課題について、スマート農業技術を用いることによって圃場の状態を正確に把握し、状態に合わせた施肥設計が可能となることを目標としている。スマート農業技術の先進地域といえる岩見沢市をモデル地域として、土壌診断、リモートセンシング、可変散布、堆肥散布を一体としたサービスの安定的な運用体制を検討していくことで、地域生産者の経営向上に貢献する。

目標

  • 化学肥料標準使用量から削減(N 施肥量) [水稲:20%、玉ねぎ:7%、小麦:11%、大豆:50%]
  • 堆肥散布による土壌物理性の改善・化学肥料減肥による資材費削減、化学肥料可変散布による収量・品質の改善による農家収益向上5% [水稲直播:5%、玉ねぎ:2.3%、小麦:4.5%、大豆:5%]
  • 化学肥料の散布については、追肥作業の労働時間の削減20%
  • 堆肥散布に要するコストや作物・土壌計測・診断コストに対して、化学肥料減肥による資材費削減、堆肥や追肥散布作業の省力化による労働費削減、収量・品質の改善による収益増加等で補うことにより、経営収支(利益)向上5% [水稲直播:55%、玉ねぎ:5%、小麦:5%、大豆:5%]

実証する技術体系の概要

問い合わせ先

実証代表

(株)スマートリンク北海道

視察等の受入について

(株)スマートリンク北海道
E-mail:  Tel: 0126-33-4141