品種詳細
おひさまコット
大果で糖度が高いアンズ品種です。 また、裂果が少なく結実も良いため栽培が容易なことも特徴です。太陽のように黄色く大きいアンズ(アプリコット)であることから「おひさまコット」と命名しました。
主要特性
- 樹勢は強く、樹姿はやや開張します。育成地(茨城県つくば市)における開花期は3月下旬で、「平和」および「ハーコット」とほぼ同じです。収穫期は6月下旬で、「平和」より10日程度、「ハーコット」より数日遅いです。
- 果実重は110~120g前後と大果です。果皮は橙黄色で外観が良く、裂果の発生は極めて少なく、栽培性に優れます。
- 肉質はやや緻密で果汁が多く、従来、広く栽培されてきた「平和」など日本のアンズ品種に比べて糖度が高く、果汁のpHは3.9程度で「平和」より0.5ポイント高く、酸味が少ないことから生食用としての食味が優れています。
- 「平和」や「ハーコット」に比べて豊産性です。自家和合性で結実性が優れるため、摘果を適切に行う必要があります。
- せん孔細菌病、灰星病に罹病性を示しますが、通常の薬剤散布により被害を軽減することができます。
「おひさまコット」の結実状況
「おひさまコット」の果実
表 「おひさまコット」の樹性および果実特性
出願番号 (出願日) |
公表日 | 登録番号 (登録日) |
育成者権の存続期間 |
---|---|---|---|
23910 (2009年7月15日) |
2009年9月24日 | 22907 (2013年12月20日) |
30 (満了日:2043年12月20日) |
交配組み合わせ | 旧系統名 | ||
アンズ農林5号(New Castle Early×甲州大実)×ハーコット | アンズ農林9号 |
栽培適地
長野県、福井県、埼玉県および茨城県での栽培適性は確認されていますが、その他の地方では十分な確認はされていません。
農林認定品種(旧:命名登録品種)
登録番号:あんず農林1号
登録年月日:2010年4月14日
育成担当者
山口正己、土師岳、八重垣英明、末貞佑子、鈴木勝柾、三宅正則、京谷英壽、西村幸一、木原武士、安達栄介、中村ゆり、小園照雄、内田誠、福田博之
発表論文
果樹研究所研究報告18号, p.1-12(2014-11) : アンズ新品種'おひさまコット'および'ニコニコット'