品種詳細
西南のひかり
(アンコール・興津早生)No.21に「陽香」を交雑して育成した早生のミカンです。年内に成熟し、剥皮容易でじょうのう膜が薄く、少核性で食べやすいうえ、果肉は柔軟・多汁であり、高糖度で食味が良いのが特徴です。特に機能性成分であるβ-クリプトキサンチンを高濃度含有します。
主要特性
- 「西南のひかり」は、12月上中旬に成熟する早生のミカンタイプ品種で、露地栽培においても果汁の糖度は13%と高く(表1)、減酸は早く、オレンジと「アンコール」を混合した芳香があり食味は良好です。
- 果実は平均180g程度、果形は扁円形で果形指数は140程度です(表2)。果皮は橙色~濃橙色(図1)、厚さは約2.5mmで薄くて軟らかく、剥皮は容易です。果肉は濃橙色(図2)で、肉質は軟らかく果汁量は多く、じょうのう膜は比較的薄く食べやすいです(表1)。
- 花粉の量は極めて少なく、条件により無核果も生産されます(表1)。果肉には機能性成分として注目されるβ-クリプトキサンチンを高濃度含有します(表3)。
- 樹姿は直立性と開張性の中間で、枝梢の長さ、太さは中位で密生します(図3)。葉はやや小さい方です。結実性は比較的良好ですが、隔年結果性がやや高いので、摘果を徹底し、適正な着果量を保つ必要があります。
- そうか病には強く、かいよう病に対しては中程度の抵抗性があります。カンキツトリステザウイルスによるステムピッティングの発生は中程度です。
- 年内に成熟しますので、わが国のほとんどのカンキツ栽培地帯に適します。
果実
結実状況
図3 「西南のひかり」の樹姿(育成地 2007年9月)
出願番号 (出願日) |
公表日 | 登録番号 (登録日) |
育成者権の存続期間 |
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21449 (2007年9月11日) |
2007年12月21日 | 17969 (2009年3月19日) |
30年 (満了日:2039年3月19日) |
交配組み合わせ | 旧系統名 | ||
(アンコール×興津早生)No.21×陽香 | カンキツ口之津26号 |
栽培適地
- 年内に成熟しますので、わが国のほとんどのカンキツ栽培地帯に適します。
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農林認定品種
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登録番号 :みかん農林16号
登録年月日:2008年3月 -
育成担当者
松本亮司、吉岡照高、國賀 武、山本雅史、吉永勝一、高原利雄、山田彬雄、三谷宣仁、奥代直巳、稗圃直史、池宮秀和、今井 篤、深町 浩、内原 茂、野中圭介
発表論文
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- 野中圭介ら.2008.カンキツ新品種'西南のひかり'.園芸学研究第7巻別冊1:42
- 野中圭介.2008 新品種の栽培技術「カンキツ・西南のひかり」果実日本63(9):58-60