品種詳細

ミニマートル1号

カクサイライムにマートルリーフオレンジを交雑して育成したカンキツです。わい性で葉、花、果実が極めて小さい。着花量が多く、果実は2年程度樹に着生し、鉢物あるいは庭木として利用できます。

主要特性

  • 1980年(昭和55年)に果樹試験場興津支場(現果樹研究所カンキツ研究部興津)において、比較的わい性で果実が小さいクサイライムにわい性で葉と果実が小さいマートルリーフオレンジを交雑して育成した系統です。
  • 樹勢は弱く、わい性で生育が緩慢であり、非常にコンパクトな樹に作ることができます。樹姿は直立性と開張性の中間です。枝梢は細く、短く、密生します。節間長は極く短く、とげはありません。葉は極く小さく、マートルリーフオレンジより小さいです。ガラス室内での接ぎ木苗の生育は良く、育苗は容易です。そうか病とかいよう病に対しては強い抵抗性があります。
  • 花は極く小さく、単生し、花弁は白色、5枚です。花粉はやや少ないですが、花粉稔性率は高く、90%程度。着花量は多いですが、その割には結実量はやや少ない品種です。
  • 果実は球形で極く小さく、平均12g位です。観賞用として葉の大きさと果実の大きさのバランスが良いのが特徴です。果皮は赤橙色で、果面はやや粗くなっています。油胞は大きく、へこんでいて、その分布密度は極く疎です。果皮の完全着色は3月上旬頃で遅いです。剥皮はやや容易で果皮歩合が高いですが、果心は小さく、充実度は中程度となっています。果肉は黄橙色で果汁量は少なく、果汁の糖度は中程度で10%内外ですが、酸含量は3月に5%程度あり高くなっています。成熟期は3月です。果実は2年程度樹に着生します。含核数は平均3粒程度で、種子は単胚性です。果実が小さく、可食部が少なく、酸味が強いので食用には適しません。

表1 「KL・ML-2」の特性

図1 6号鉢に植えた9年生 の「KL・ML-2」

図2 葉 図3 果実

出願番号
(出願日)
公表日 登録番号
(登録日)
育成者権の存続期間
18726
(2005年8月30日)
2006年3月 7日 16773
(2008年3月18日)
30年
(満了日:2038年3月18日)
交配組み合わせ 旧系統名
クサイライム×マートルリーフオレンジ

栽培適地

      • 冬季温暖なカンキツ栽培地域では露地栽培が可能である。鉢植えの場合、冬季室内に取り込めば栽培可能な地域は広くなっています。

    • 育成担当者

      吉田俊雄、根角博久、上野 勇、伊藤祐司、吉岡照高