品種詳細

かんきつ中間母本農8号

「清見」と「H・ FD-1」の雑種であるタンゴールタイプの「かんきつ中間母本農8号」はカンキツトリステザウイルス(CTV)に免疫性があります。単胚性のため交雑実生の獲得が容易で CTV免疫性の新品種育成に有効な中間母本です。

主要特性

  • かんきつ中間母本農8号」は1994年(平成6年) に、雄性不稔性で果実品質が良好な「清見」に「H・FD-1」を交雑して育成した雑種です。
  • かんきつ中間母本農8号」は樹勢中庸で開張性があり、かいよう病にはやや罹病性です。やくが退化して花粉はありません。着花性、結実性は良好です。果実は約 170gで扁球形。果皮は黄橙色で厚さ約3mm、剥皮しにくくなっています。12月下旬頃完全着色し、果肉は黄橙色で比較的軟かくなっています。果皮、果肉、果汁ともにほとんど カラタチ臭がありません。果汁のクエン酸含量は4~5%あり酸味が強く、成熟期は1月上旬頃と考えられます(表1、図1)。袋掛けをして花粉を遮断した花の着果率は50%以上と高く、いずれの果実も無核で単為結果性が強いです。自然受粉では平均3粒程度の種子が入り、種子は単胚性となっています。
  • CTVを保毒する「今村温州」に高接ぎした「かんきつ中間母本農8号」の樹について、高接ぎから90か月後までのエライザ検定でCTVの感染は確認されていません (表2)。また、ラフレモン台の接ぎ木苗を養成し、4種類のCTV分離株をそれぞれ台木部に接ぎ木接種した結果、「かんきつ中間母本農8号」では接種から57か月の間の7回の検定で いずれの分離株についても検出されていません (表3)。

かんきつ中間母本農7号とかんきつ中間母本農8号の果実特性

かんきつ中間母本農8号の果実

かんきつ中間母本農7号とかんきつ中間母本農8号の高接ぎ樹のCTV保毒検定

かんきつ中間簿本能8号へのCTV接種試験

出願番号
(出願日)
公表日 登録番号
(登録日)
育成者権の存続期間
17326
(2004年8月11日)
2005年6月23日 14544
(2006年12月14日)
30年
(満了日:2036年12月14日)
交配組み合わせ 旧系統名
清見×H・FDー1(きよみ×H・FDー1(ハッサク×ヒリュウ)) RPー94

栽培適地

    • 育成担当者

      吉田俊雄、根角博久、野々村睦子、吉岡照高、瀧下文孝