品種詳細
西之香(にしのかおり)
カンキツ品種「西之香」は、「清見」に「トロビタ」オレンジを交雑し、育成したタン ゴールです。肉質が柔軟・多汁でオレンジ香があり、減酸しやすい食味良好な少核品種です。成熟期は12 月下旬~1月上旬です。名前は、この品種のもつ能力を発揮するうえで西日本の比較的乾燥する地域が適している点、また、この品種のもつオレンジ香に因みます。
主要特性
- 果実は100~180gで中果です。果形は扁球~球であり、果梗部が突出し、わずかにネックを生じること もあります。果皮は橙~赤橙色で薄く、剥皮性は「清見」よりも容易です。果面は平滑ですが油胞が目立ち、 「清見」程度のオレンジ香があります。熟期は12月下旬から1月上旬で、酸切れがよ く食味良好です。果肉は橙色で、じょうのう膜は薄くて食べやすく、肉質は柔軟・多汁です。種子数は0 ~5粒程度で少なく、単為結果性が強いです(表1、2)。
- 樹勢は中~弱で、樹姿は中~開張、場所によっては下垂します。結実性は中程度で、そうか病に は強いですが、かいよう病にはやや弱いです。トリステザウイルス(CTV)に対しては、り病性ですが、ステムピッティン グの発生度は軽いです(表2)。
図1 果実
図2 結実状況
出願番号 (出願日) |
公表日 | 登録番号 (登録日) |
育成者権の存続期間 |
---|---|---|---|
(1997年4月11日) |
1999年3月18日 | 8557 (2000年12月22日) |
25年 (満了日:2025年12月22日) |
交配組み合わせ | 旧系統名 | ||
清見×トロビタオレンジ | 口之津20号 |
農林認定品種(旧:命名登録品種)
登録番号:タンゴール農林7号
登録年月日:1997年8月19日
育成担当者
奥代直巳、松本亮司、生山 巖、七條寅之助、石内傳治、高原利雄、山本雅史、内原 茂、山田彬雄、浅田謙介、池宮秀和、國賀 武、村田広野、吉永勝一、家城洋之
発表論文
果樹研究所研究報告 2号, p.17-23(2003-03) : カンキツ新品種'西之香'