品種詳細

はるひ

「日向夏」に似たさわやかな風味のカンキツ新品種「はるひ」を育成しました。「日向夏」より早く収穫でき、糖度も高く、食味に優れた中生品種です。 露地で2月頃に成熟期を迎える中生品種です。果実は150g程度で、果皮は橙黄色で剥きやすいのが特徴です。「日向夏」に似たさっぱりとし た透明感のある香りが特徴的で、糖度も高く食味に優れており、今後の普及が期待されます。

主要特性

  • 樹勢は中位で、樹姿は開張となります。枝梢は太く、長く、枝梢の密度は中程度からやや粗い傾向があります。
  • 果実の形は扁球形から球形で、果実重は150g程度になり、「日向夏」と同等です。果皮は橙黄色で剥きやすいのが特徴です。
  • 「日向夏」よりも果皮の着色や減酸が早く、2月頃に成熟し、果肉は柔軟多汁です。日向夏に似た芳香があり、糖度は13%程度と高く、食味は良好です。隔年結果性は中程度で、結実性は良好です。
  • かいよう病およびそうか病には抵抗性があります。カンキツトリステザウイルスによるステムピッティングの発生程度は中程度です。
  • 2月頃に成熟するため、冬季温暖な地域での栽培が適しています。
  • 施設栽培では、種なし果実を生産できることがわかっています。今後、安定した種なし果実生産技術の開発が期待されます。

表1 「はるひ」の樹性および果実特性

はるひの果実
結実状況

はるひの栽培状況
果実

出願番号
(出願日)
公表日 登録番号
(登録日)
育成者権の存続期間
24210
(2009年10月13日)
2009年12月24日 20679
(2011年3月18日)
30年
(満了日:2041年3月18日)
交配組み合わせ 旧系統名
興津46号(スイートスプリング×トロビタオレンジ)×阿波オレンジ カンキツ興津55号

栽培適地

2月頃に成熟するため、冬季温暖な地域での栽培が適しています。

育成担当者

根角博久、吉田俊雄、吉岡照高、村瀬昭治、瀧下文孝、野々村睦子、國賀 武、中嶋直子、太田 智、喜多正幸

発表論文

    1. 喜多正幸・根角博久・吉田俊雄・國賀武・吉岡照高・中嶋直子・太田智・瀧下文孝.2010.カンキツ新品種'はるひ'.園芸学研究9(別2)339.