品種詳細
美玖里(みくり)
「美玖里」は、やや晩生の大果で果肉色と食味が優れたクリ品種です。「筑波」の後に収穫できる品種で、果実は28g程度と大きく、果皮は美しい褐色で外観が優れます。果肉は黄色で甘味と香気が多く、肉質はホクホクした粉質で食味が優れています。付加価値の高い生果や加工原料としての利用が期待されます。
主要特性
- 樹勢は強く、やや直立性を示します。育成地(茨城県つくば市)における雌花の開花期は遅く、「石鎚」とほぼ同じです。収穫期は9月下旬で、「筑波」と「石鎚」の中間です(表1)。収量は「筑波」や「石鎚」と同程度です。
- 果実は28g程度で大きく、揃いは良好です。果肉は黄色で、デンプンが充実しているため、肉質は粉質で「筑波」や「石鎚」よりホクホクしています。甘味と香気は「筑波」と同程度で「石鎚」より多く、食味は良好です。渋皮の剥皮は従来のニホングリと同様に困難です。
- 双子果、裂果、腐敗果はほとんど問題になりません。虫害果の発生はやや高いですが、「筑波」や「石鎚」と同程度です。
- 高木になりやすいので、整枝せん定等の栽培管理を励行し、樹高を制御する必要があります。
図1 「美玖里」の結実状況
図2 「美玖里」の果実
出願番号 (出願日) |
公表日 | 登録番号 (登録日) |
育成者権の存続期間 |
---|---|---|---|
23913 (2009年7月15日) |
2009年9月24日 | 20474 (2011年3月 9日) |
30年 (満了日:2041年3月 9日) |
交配組み合わせ | 旧系統名 | ||
石鎚(いしづち)×秋峰(しゅうほう) | クリ筑波39号 |
栽培適地
全国のクリ栽培地域で栽培できます。
農林認定品種(旧:命名登録品種)
登録番号:クリ農林9号
登録年月日:2010年03月
育成担当者
齋藤寿広、壽 和夫、澤村 豊、高田教臣、平林利郎、佐藤明彦、正田守幸、寺井理治、鈴木勝柾、西端豊英、樫村芳記、阿部和幸、西尾聡悟、内田 誠、木原武士
発表論文
果樹研究所研究報告19号, p.1-9(2015-03) : ニホングリ新品種'美玖里'
果樹研究所研究報告13号, p.43-50(2012-03) : クリ第6回系統適応性検定試験の概要