品種詳細

JM1

「JM1」は、マルバカイドウに「M.9」を交雑して育成されたリンゴわい性台木品種です。挿木繁殖性に優れ、「M.9」相当のわい化能力を有し、多収性で、高品質果実が生産できます。耐水性は中程度で、わい性台木の利用が可能なリンゴの栽培地帯全域に適します。

主要特性

  • 樹勢は中程度で、開張性を呈します。耐水性は比較的高く、アルバカイドウと同程度。挿木活着率が高く、挿木による繁殖が容易です。挿木によって発生した新梢は直立し、生育良好で、1シーズンで台木として使用可能な大きさに達します。根部疫病、ASPV、斑点落葉病、黒星病、リンゴワタムシに抵抗性を示します(表1)。
  • 本台木は「M.9」相当のわい化能力を有し、「ふじ」との接木親和性は良好で台勝ちを呈します。生産効率は「M.9EMLA」や「M.26EMLA」より高く、多収性です(表2)。
  • 本台木を用いた場合の「ふじ」の果実重は対照台木の「M.9EMLA」や「M.26EMLA」と大きな差はありません。硬度と糖度は対照台木と同等ないしやや高く、着色は中~良で、果実品質は比較的優れています(表3)。

表1.「JM1」の病害虫抵抗性

表2.「ふじ」の生育並びに結実に及ぼす影響(平成7年度)

表3.「ふじ」の果実品質に及ぼす影響(平成6~7年度平均)

「JM1」の樹姿
樹姿

出願番号
(出願日)
公表日 登録番号
(登録日)
育成者権の存続期間
8722
(1996年4月 2日)
1999年3月12日 7443
(1999年9月21日)
25年
(満了日:2024年9月21日)
交配組み合わせ 旧系統名
マルバカイドウ「セイシ」×M.9 リンゴ台木盛岡1号

栽培適地

わい性台木の利用が可能なリンゴの栽培地帯全域に適します。

農林認定品種

登録番号 :りんご農林台9号
登録年月日:1996年8月21日

育成担当者

副島淳一、吉田義雄、羽生田忠敬、別所英男、土屋七郎、増田哲男、小森貞男、眞田哲朗、伊藤祐司、定盛昌助、樫村芳記

発表論文