品種詳細

JM7

「JM7」は、マルバカイドウに「M.9」を交雑して育成されたリンゴわい性台木品種です。挿木繁殖性が極めて容易で、「M.9」相当ないしやや強度のわい化能力を有し、多収性で、高品質果実が生産できます。耐水性は極めて優れており、広域適応性を備えた台木としてリンゴ栽培地帯全域での普及が期待されます。

主要特性

  • 樹勢は中程度で、開張性を呈します。耐水性は高く、マルバカイドウと同程度です。挿木活着率が高く、挿木による繁殖が極めて容易です。挿木によって発生した新梢は直立し、生育良好で、1シーズンで台木として使用可能な大きさに達します。根部疫病、ACLSV、ASPV、斑点落葉病、リンゴワタムシに抵抗性を示します(表1)。
  • 本台木は「M.9」相当ないしやや強度のわい化能力を有し、「ふじ」との接木親和性は良好で台勝ちを呈します。生産効率は「M.9EMLA」や「M.26EMLA」より高く、多収性です(表2)。
  • 本台木を用いた場合の「ふじ」の果実重は対照台木の「M.9EMLA」や「M.26EMLA」を用いた場合と大きな差はありません。硬度と糖度は対照台木よりやや高く、着色は中~良で、果実品質は優れています(表3)。

表1.「JM7」の病害虫抵抗性

表2.「ふじ」の生育並びに結実に及ぼす影響(平成7年度)

表3.「ふじ」の果実品質に及ぼす影響(平成6~7年度平均)

「JM7」の樹姿
樹姿

出願番号
(出願日)
公表日 登録番号
(登録日)
育成者権の存続期間
8723
(1996年4月 2日)
1999年3月12日 7444
(1999年9月21日)
25年
(満了日:2024年9月21日)
交配組み合わせ 旧系統名
マルバカイドウ「セイシ」×M.9 リンゴ台木盛岡7号

栽培適地

広域適応性を備えた台木としてリンゴ栽培地帯全域での普及が期待されます。

農林認定品種

登録番号 :りんご農林台10号
登録年月日:1996年8月21日

育成担当者

副島淳一、吉田義雄、羽生田忠敬、別所英男、土屋七郎、増田哲男、小森貞男、眞田哲朗、伊藤祐司、定盛昌助、樫村芳記

発表論文