品種詳細

ジェイドスイート

セイヨウナシ品種「ジェイドスイート」は、「マルゲリット・マリーラ」に「ブランディワイン」を交雑して育成した早生の大果品種です。育成地(札幌市)で9月上中旬に収穫適期となり、追熟は容易です。外観は良好で、甘みが多く極多汁で食味が優れています。

主要特性

  • セイヨウナシ品種「ジェイドスイート」は、1992年に北海道農業試験場(現:農研機構北海道農業研究センター)において、「マルゲリット・マリーラ」に「ブランディワイン」を交雑して得られた実生から 選抜した品種である。
  • 育成地(札幌市)で「バートレット」とほぼ同時期の9月上中旬に収穫適期となる早生品種である。樹姿は立性、樹勢は中程度で、初期収量は「ブランディワイン」と同程度である。果実はびん形を呈し、果実重は290g程度、収穫適期の果皮色は黄緑で外観良好である(図1)。追熟は早生品種の慣行法(追熟温度は15~20°Cが望ましい)で行うことができ、容易である。 糖度は14%程度、酸度は0.1~0.2g/100ml程度で、極多汁で食味が優れる。育成地でのセイヨウナシの通常防除下では、セイヨウナシ胴枯病の発生がやや多めであった以外には問題となる病害虫の発生は観察されていない。開花盛期は、「バートレット」、「ブランディワイン」とほぼ同時期である。受粉関係では、「バートレット」、「ブランディワイン」、「ラ・フランス」と交雑和合であるが、「オーロラ」とは交雑不和合である。
  • 追熟後の適食期は、果肉が軟化するとともに、果皮色が緑の少し残る黄色になった時期である(図2)。追熟した果実の日持ち性は、他のセイヨウナシ早生品種と同程度で短い。
出願番号
(出願日)
公表日 登録番号
(登録日)
育成者権の存続期間
25696
(2011年3月10日)
2011年6月28日 23910
(2015年3月 3日)
30年
(満了日:2045年3月 3日)
交配組み合わせ 旧系統名
マルゲリット・マリーラ / ブランディワイン セイヨウナシ札幌1号

図1 「ジェイドスイート」の結実状況 (満開後115日)

図2 「ジェイドスイート」の追熟にともなう果皮色の変化