品種詳細

ニオウダチ

耐倒伏性品種「タチワセ」に比べて耐倒伏性が優り、収量は同程度かやや劣るイタリアンライグラス新品種「ニオウダチ」を育成した。出穂期は「タチワセ」と同程度の早生である。関東以西に適応するが、冠さび病には弱い。

主要特性

「ワセアオバ」を母材として、3回の個体選抜と1回の母系選抜によって、早生で倒伏に強い短期利用型の「ニオウダチ」を育成した。

  • 乾物収量は、「タチワセ」に比べて山口、熊本(九州農試)では劣り、関東、北陸、南九州では同程度かやや劣る。
  • 耐倒伏性は、「タチワセ」より優っていた。他の品種に顕著な倒伏が発生した場合に、特に強い耐倒伏性を示す。
  • 「ニオウダチ」の出穂期は5月上旬であり、「タチワセ」と同程度の早生である。ただし、宮崎では特異的に「タチワセ」より1週間程度早く出穂した。
  • 草丈は「タチワセ」よりやや低く、茎は太い。特に暖地(山口、神奈川、宮崎)では、草丈が低くなる傾向がみられる。
  • 茎の形態は、「タチワセ」と比較すると茎の太さが太く、1茎重が重く、また曲げ抵抗も大きい。これらの特性が耐倒伏性に関与していると考えられる。
  • 冠さび病抵抗性は、「タチワセ」同様に弱である。
  • 初期草勢は、「タチワセ」よりやや劣っている。
  • 1番草刈取り後の再生は、「タチワセ」とほぼ同じである。
  • 越冬性は、「タチワセ」並である。
  • 1番草の乾物率は、「タチワセ」よりやや低い。
  • 採種性は精選種子重で13.8kgであり、「タチワセ」より優れている。
  • 乾物分解率(セルラーゼ法)は、「タチワセ」より高い。
出願番号
(出願日)
公表日 登録番号
(登録日)
育成者権の存続期間

(1995年7月 6日)
7446
(1999年9月21日)
20年
(満了日:2019年9月21日)
交配組み合わせ 旧系統名
- 那系31号