品種詳細

Kyushu1

極早生で、いもち病抵抗性が既存の抵抗性品種「さちあおば」より強いイタリアンライグラス。暖地で9月播種した場合の年内草と春1番草の合計乾物収量が「さちあおば」より多収となる。

主要特性

  1. 8月下旬に播種した場合や、2016年秋のように高温・多雨の時にいもち病は発生しやすく、「あかつき」などの罹病性品種で4(1:無・微-9:甚)以上の発生となる。そうした場合においても「九州 1 号」の発病程度は2以下であり、いもち病抵抗性は既存の抵抗性品種「さちあおば」より強く、「ヤヨイワセ」並である。この結果、発生の甚だしい場合の年内草の生育は、抵抗性のより弱い品種より優れる。
  2. 「九州 1 号」の出穂始めは、「さちあおば」および「ヤヨイワセ」並であり、極早生に属する。
  3. 九州地域における9月播種での年内草と春1番草の合計乾物収量(6場所・2カ年間平均)は「さちあおば」比107と多収であり、「ヤヨイワセ」比 105 と多収である。また、沖縄における10月播種での3番草までの合計乾物収量(2カ年平均)は「さちあおば」比112と多収であり、「ヤヨイワセ」と同等である。
  4. 乾物率は年内草、春1番草とも「さちあおば」および「ヤヨイワセ」と同程度である。
  5. 草丈は、年内草、春1番草とも「さちあおば」よりやや高く、「ヤヨイワセ」と同程度である。
  6. 倒伏程度は、「さちあおば」および「ヤヨイワセ」と同程度である。
  7. 冠さび病抵抗性は「さちあおば」よりやや弱く、「ヤヨイワセ」より弱く、「強」である。

活用面・留意点

  1. 暖地の 9 月播種が可能であり、高品質な年内草および春 1 番草の多収が見込まれ、夏播き用エンバクとの混播利用も期待できる。当面の適地は九州地域および沖縄とする。
  2. 9 月播種では雑草との競合によってイタリアンライグラスの生育が抑制されるため、特に雑草の繁茂が予想される場合には、前作で適切な栽培管理を行う、除草剤を散布する(エンバクとの混播の場合を除く)などの対策を行う。

Kyushu 1
左から「ハナミワセ」「さちあおば」「Kyushu 1」

出願番号
(出願日)
公表日 登録番号
(登録日)
育成者権の存続期間
32120
(2017年5月12日)
2017年8月18日

交配組み合わせ 旧系統名
「山育185号」×「山系32号」