なろりん、タマネギの赤ちゃんに出会う!の巻
お天気: くもり時々晴れ
こんにちは なろりんです♪
気の向くままに全国にある農研機構の研究所を巡って紹介しています。
84回目のなろりんリポート、略して「なろリポ」です。
今回訪れたのは、岩手県盛岡市にある「東北農業研究センター 盛岡研究拠点」です。
久しぶりの地域の研究所訪問に、とってもワクワクしているよ!
今回訪ねたお部屋は、「畑作園芸研究領域野菜新作型グループ」。
ここではタマネギの新しい作型について研究しているよ。
「作型(さくがた)」は、野菜や果物などの、その地域に合った栽培時期(植えつけ時期や収穫期など)、育て方、技術を組み合わせた栽培システムのことをいうんだって。
タマネギは、家庭料理によく使われる欠かせない野菜のひとつだけど、実はソースやスープなどの加工業務用としても大量に使われているのだそう。
国産のタマネギだけでは足りないので、加工業務用を中心に主に中国から輸入もされていて、なんと野菜の総輸入量の約1/3を占めているんだって!
国内での主な産地は、北海道、佐賀県、兵庫県。3道県だけで国内生産の8割を占めているんだって。でも、北海道と西日本で産地の場所に偏りがあるので、6~8月の時期に収穫量が減ってしまうのだそう。
そこで、北海道と西日本の間にある東北で、その時期に収穫できる新しい栽培システムを作ろうとしているんだって。
タマネギの一般的な栽培方法は、苗を育てて、それを機械で植えつけるのだけど、農家さんにとって苗を育てるのは簡単ではないし、時間や労力もかかるのだそう。
安定して収穫できるようになるまでに数年かかってしまうことも。
そこで、こちらでは「セット栽培」という栽培方法の開発を進めているんだって。
苗を植えるのではなく、「セット球」という小さなタマネギの赤ちゃんを直接畑に植える栽培方法なんだって。
ヨーロッパでは一般的な栽培方法で、セット球を作って販売する会社と、それを買って育てる農家さんに分業化されているんだって。
農家さんはセット球を買って機械で植えつけるので、苗を作る手間も省けるし、楽で早い。生産の安定化や省力大規模化につながっているのだそう。
セット球は貯蔵ができるので、植えたい時期まで置いておけるし、畑まで運ぶのも苗よりも簡単。よい点が沢山あるね!
これを日本式に作り上げて、初心者でも取り組みやすくしたいと頑張っているんだって!
こちらはセット球を栽培している畑だよ。
どの品種が日本に適しているか調べるために、いろんな品種のタマネギのセット球を作っているよ。
この密集している苗にひとつひとつに小さいタマネギの赤ちゃんがついているんだって!
こちらの畑ではセット球を植えて育てているよ。
今はまだ日本の品種のセット球はないので、オランダ産のもので試してみて、まずはその中で確実に出来るものを見つけるのだそう。
寒い北海道は春、暖かい西日本は秋と、植えつける時期が地域によって変わるけど、ここ東北では、両方の時期に植えつけることができることが強み!
向かって右側が春、左側が秋に植えたもの。どちらもスクスク育ってる!
この光景は東北ならでは。
東北の場合、セット栽培で1年間に春と秋の2作が可能に。収穫量アップが期待できるね!
いつか、今のタマネギの主な産地に東北地域も加わり、収穫期を産地リレーして、一年じゅういつでも新鮮な国産のタマネギが食べられるようになることを楽しみにしているよ♪
案内してくれた研究者さんと。
次はどこの研究所へいこうかな。
「東北農業研究センター」の詳細は、ホームページを見てね。