なろりん、夏にとれるイチゴにびっくり!の巻
お天気: くもり時々晴れ
こんにちは なろりんです♪
気の向くままに全国にある農研機構の研究所を巡って紹介しています。
85回目のなろりんリポート、略して「なろリポ」です。
今回も前回に引き続き、岩手県盛岡市にある「東北農業研究センター 盛岡研究拠点」をリポートするよ。
今回訪ねたお部屋は、「畑作園芸研究領域畑作園芸品種グループ」。
ここでは、夏に収穫できるイチゴの新しい品種を作っているよ。
暑すぎると花が咲かないので、涼しい東北や北海道が夏イチゴの栽培に向いているのだそう。
イチゴって冬から初夏にかけてスーパーに並んでいるイメージがあるけど、夏に収穫できるイチゴもあるんだね!
夏のイチゴは、ケーキ用としてとても需要があるのだそう。
たしかにケーキ屋さんには一年じゅうイチゴがのっているケーキが売られているよね。
なろりんもイチゴのケーキ大好き♪
夏の時期は、アメリカから輸入したイチゴを使っている場合も多いけど、やっぱり新鮮で高品質の国産イチゴが欲しいという声が根強いのだそう。
イチゴはケーキのほかにもパフェなどいろんなスイーツに使われていて、現在、欲しいという声に量が足りていない状況なんだって。
案内してくれたこちらのハウスには、最終選抜された系統が並んでいたよ。
いろんな品種を掛け合わせて作られた系統のうち、選ばれたより良い系統がこのハウスに集められているんだって。
一つの種子から生まれた株をクローンで複数増やして、収量、色、形、硬さ、味、病害抵抗性などをみるのだそう。
クローンでも個体差が出るので、数個体に増やして平均的な姿を調査するよ。
毎年新しい品種が開発できるわけじゃないけど、期待して毎年頑張っているんだって。
これはイチゴの花だよ。
今後どんどん実になって真夏に収穫できる果実になるよ。
そうして2019年に品種登録されたのが、「そよかの」という品種。
「そよかの」は、野外では春の時期にだけ花が咲く「一季成り性」のイチゴで、初夏に収穫できる品種なんだって。
このパンフレットに使われている畑のある産地では、栽培面積が去年に比べて約10倍に広がっているのだそう!
高品質の新しい品種のイチゴは市場でも高値がつきやすいので、今、こちらの産地の約半分が「そよかの」に置き換わっているんだって。
研究者さんは、農家さんに喜んでもらえるのはやっぱりうれしいし、やりがいにつながると笑顔で話してくれたよ。
それから2021年に新たに品種登録出願されたのが「夏のしずく」。
まさにできたてホヤホヤの新品種!
一年じゅうどの季節でも実をつけることができる「四季成り性」という特別な形質を持っていて、夏や秋にも花が咲き続けるから、生産量が落ち込みやすい夏から秋にかけて収穫できる期待の品種なのだそう。
「夏のしずく」はシュッとした円すい形をしているのが特長だよ。
ケーキにのせるイチゴは大きさや形も重要なんだって。
甘酸っぱくてさわやかな味で、甘いクリームとの相性もばっちり!
少し硬めなので、輸送や日持ちの面でも適しているんだって。
「夏のしずく」は、東北地方5県(青森、岩手、秋田、宮城、山形)と連携して共同研究で作ったんだって!
大勢の人が携わって、おいしい夏イチゴが誕生したんだね。
このハウスのイチゴの株には、よく見ると小さなタグがついているよ。
株の中で最初に咲いた花がいつ咲いたのかタグに日付を書いているんだって。
これは、めぐる季節を越えて花を咲かせる四季成り性の「夏のしずく」の花が咲くペースを調べているんだって。
品種によっては途中でバテてしまう短距離走タイプのものと、秋まで収穫できるよう駆け抜けてくれるマラソンタイプのものがあるのだそう。
理想は、長期間にたくさん収穫できるマラソンタイプ。
第2の「夏のしずく」を目指して、地道な調査は続くよ。
たくさんの人たちにおいしい国産イチゴを一年じゅう楽しんでほしいと思ったなろりんなのでした。
案内してくれた研究者さんと。
次はどこの研究所へいこうかな。
「東北農業研究センター」の詳細は、ホームページを見てね。