
1. 開催趣旨

豚熱(旧称:豚コレラ)は、豚とイノシシがかかる伝染病です。
1960年代頃まで日本の養豚場で広く発生していましたが、その後ワクチンによっていったん清浄化され、2015年には国際機関から「清浄国」と認められました。しかし2018年9月、岐阜県で再び発生が確認されてから、野生イノシシにも感染が広がり、その結果、養豚場での感染も起こっています。農場では感染を防ぐため、ワクチン接種が行われ、野生イノシシには経口ワクチンの散布も行われていますが、イノシシでの感染拡大は依然続いています。
私たちはこの状況に対処するため、ウイルスや野生動物の専門家を中心に研究チームを結成し、農林水産省の研究プロジェクトとしてさまざまな研究を進めてきました。具体的には、豚やイノシシにおける感染実験による症状やワクチン効果の検証、野生イノシシの行動調査と個体数の推定、新たなワクチンの開発、さらにウイルスの遺伝子情報に基づく感染経路の推定や数理モデルを使った対策の効果の評価などを行っています。
これらの研究成果を分かりやすくお伝えするために、一般公開のシンポジウムをオンラインで開催することとしました。獣医師や研究者だけでなく、広く生産者や消費者の方にも気軽にご参加いただける内容となっています。私たちの5年間の研究で得られた知見が、今後の豚熱対策の方向性を模索する一助となることを願っています。
2. 開催日時
令和7年2月18日(火曜日)13時00分~17時00分
3. 開催場所
オンライン(Teams)
4. 内容
開会 (13時00分~13時15分)
勝田賢 (農研機構動物衛生研究部門 所長)
浮穴学宗 (農林水産省 食品安全政策課 食品安全科学室長)
山本健久 (農研機構動物衛生研究部門 疫学・昆虫媒介感染症グループ長)
第1部 (13時15分~14時15分)
- 豚熱感染は、イノシシの行動様式に変化をもたらすのか
小寺祐二 (宇都宮大学雑草管理教育研究センター) - 養豚場周辺ならびにヌタ場における野生動物の生態
七條知哉 (岐阜大学応用生物科学部附属野生動物管理学研究センター) - イノシシの死体に集まる野生動物:腐肉食動物たちの死体利用
七條知哉 (岐阜大学応用生物科学部附属野生動物管理学研究センター) - 豚熱の流行下におけるイノシシの個体数の推定
高木俊 (兵庫県立大学自然・環境科学研究所)
第2部 (14時25分~15時20分)
- 感染実験で明らかになった豚熱の病態
深井克彦 (農研機構動物衛生研究部門) - 豚熱マーカーワクチン候補株の作出
迫田義博 (北海道大学大学院獣医学研究院) - 豚熱ウイルスに対する消毒薬の効果の検証
青木博史 (日本獣医生命科学大学獣医学部)
第3部 (15時30分~16時30分)
- 養豚場で豚熱の侵入を防ぐために -農場の調査結果から-
蒔田浩平 (酪農学園大学獣医学群獣医学類) - ウイルスの遺伝子から解明する感染拡大経路
山本健久 (農研機構動物衛生研究部門) - イノシシの豚熱サーベイランスから見る伝播リスクとワクチン効果
早山陽子 (農研機構動物衛生研究部門) - 数理モデルを用いたイノシシにおける豚熱ワクチンの効果の推定
松山亮太 (酪農学園大学獣医学群獣医学類)
総合討論 (16時30分~17時00分)
閉会 (17時00分)
各部の合間に質疑応答と休憩をはさみます。
5. 参加申込み
下記の参加登録アドレスより視聴する端末ごとにお申込みください
参加登録アドレス : https://forms.gle/qerKToW8NGgRMkCU6
申込締め切り : 令和7年2月10日(月曜日)12時00分
2月13日(木曜日)12時00分を過ぎても視聴用URLのお知らせメールが届かない方は、お手数ですが下記に記載しております事務局お問い合わせ先までご連絡ください。
6. お問合せ
CSFプロシンポジウム事務局
E-mail: CSF-symposium2025[at]naro.affrc.go.jp
Tel: 029-838-7769
※お問い合わせの際は、メールアドレスの[at]を @ に変換してメールの送信をお願いいたします。