北海道農業研究センター

畑作物開発利用研究領域

北海道の畑作地域では、小麦、バレイショ、テンサイ、マメ類のいわゆる畑作4品を基幹作物とした大規模畑輪作が行われています。農家の高齢化や担い手の減少に伴い畑作経営の規模拡大が進む中で、より一層省力化を進め、新たな品種や品目の導入等を通じて輪作体系を維持し、畑作経営の安定化や高収益化を実現する必要があります。また、北海道の農産物を原料とする地域の様々な食品関連産業を活性化し、ブランド化による需要拡大を図ることが北海道の畑作農業の強化や地域社会の発展にとって重要です。

そこで畑作物開発利用研究領域では、実需者等と連携して、高品質かつ農業特性に優れた小麦、バレイショ、テンサイ、ソバ等の畑作物の品種改良を行うとともに、農産物の付加価値の向上や需要拡大のための加工利用技術を開発しています。

具体的には、小麦では穂発芽耐性を有し、パン・中華めん適性や菓子用等に優れた品種、バレイショでは線虫等の病害虫に強いポテトチップ等の加工原料や新規用途向け品種の育成を目指しています。
製糖原料のテンサイについては、高糖多収かつ高温多湿で発生が増加する黒根病等の病害に抵抗性を有する品種、資源作物については、6次産業化の取り組みを支えるための安定多収のソバ品種の育成に加え、高収益作物として輪作体系への導入が期待されている薬用作物の栽培技術の開発に取り組んでいます。
さらにバレイショやテンサイ等の農産物について、新品種の能力を最大限に活かした高品質化や高付加価値化につながる貯蔵加工技術や新規用途の開発、機能性成分の評価技術等を開発しています。

領域長

小田 俊介 (おだ しゅんすけ)

所属グループ