北海道農業研究センター

大規模畑輪作グループ

播種の模式図と種子とリン酸肥料の関係

大規模畑輪作研究グループは、畑作地帯で栽培されるコムギ、テンサイ、ばれいしょ、マメ類等の畑作物と、それらの輪作に組み込まれる野菜や飼料作物を対象に、栽培技術の改良とそれらが農家の経営に及ぼす影響の評価を解析するとともに、作物が生育する畑の環境について研究を行っています。

畑作物の低コスト多収生産技術の開発

栽培技術の改良は、現在の作物生産技術や輪作上の問題点の中で、改善可能な部分を抜き出し、効率よく改善できる方法を提案しています。例えば、リン酸肥沃度が低い火山性土壌で直播タマネギを栽培する場合、従来、10aあたり1t前後のリン酸資材で土壌を改良する必要がありましたが、タマネギの根が伸びてゆく播種条下にリン酸を局所施用することで、タマネギの生育を促進すれば、投入する資材を大幅に減らすことができます。このような減肥や多収の技術の他に、種ばれいしょの生産技術や、農作業の外部委託に関する技術開発等の省力化に関する技術開発にも取り組んでいます。

土壌微生物相の制御による畑作物の安定生産技術の開発

作物が生育する畑の環境に関しては、作物と共生する微生物相を解明し、微生物相と農作業や施肥方法との関係を明らかにして、微生物相を制御することで、連作障害や土壌病害などの輪作を妨げる事象克服の方法を開発します。

畑作物の環境反応性の解析

作物の群落内の環境を精密に計測することで、作物の品種特性や栽培方法に対する作物の反応を明らかにする研究に取り組んでいます。

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