北海道農業研究センター

羊ヶ丘の気象観測データ

羊ヶ丘の気象観測の解説

北海道農業研究センターの気象観測について

  • ウェブサイトから取得できるファイル(HP公開ファイル)はいずれもエクセルファイルです。
  • 1966~2000年と、2001年からでは記載項目数が違います。
  • 欠測は×で標示してあります。
  • 2000年に露場を移転しました(このページの下にある写真参照)。新露場(精密圃場9-21)は2000年11月から運用しています(北緯43 ゚0.4′、東経141 ゚24.7′(世界測地系では43 ゚0.6と141 ゚24.5′)、標高70m,勾配約2.5%の北東向き斜面にある。露場は南西ー北東を長辺とする20mx30mで、高さ1.5mのフェンスで囲まれる。中央の8mx8mが水平平坦になっており、その中心位置で気温、湿度、風向風速の観測を行っている)。
  • 新・旧観測露場の位置(地図)は、北海道農業研究センター周辺案内図を参照してください。
  • 新露場との気温差など調べるため、旧露場の機械も併行して運転しています(※2001年10月で旧露場観測終了しました)。
  • 毎月配布している羊ヶ丘気象月報などは、2001年1月から新露場のデータを使用しています。
  • 新露場での観測では、時別データファイルも利用できます。
  • 旧露場観測値は日別データファイルのみ利用できます。時別データはファイル化されていません。時別データが必要な方はお問い合わせください。

「最新データ」と「モニタ表示」(北農研機構玄関に設置してあるモニターに表示されます)

主な観測項目が示されています。

「最新データ」には、現況値、およびその日のそれまでの日積算値などが表示されます。
「モニタ表示」には、農試玄関においてある従来の表示装置と同じ内容です(毎時の値)。

気温、湿度、降雨強度、気圧、地温、水分(土壌水分)はその時点における値です(毎分更新)。
降雨強度とは、その時点(1分間)における雨の強さが1時間続いたら何mmになるか、の値です(冬期間は観測していません)。
日表では「最大強度」と表示されており、前1時間の中の最大降雨強度を示しています。

「時間雨量」がゼロでも「最大強度」の値がある場合は、"降水量計には感じない程度の少ない雨が降った(雨量計の最小感度は0.5mmですが降雨強度計は0.0083mmです)"ことを示しています(筈ですが、無降雨でも降雨強度計が値を出力する場合が少なからずあるようです)。

気温と湿度の観測高は地上(露場の芝面上)1.5mに固定しています。
土壌水分と地温は5,10,30cmの深度の値を示しています。
日雨量、日日射、日日照は、その日のそれまでの積算値です。
平均風速は、その時点の前10分間の平均です。

「日表」(北農研機構玄関に設置してあるモニターで表示、ダウンロードできます。他のマシンからは「HP公開ファイル」を取得してください)。

やや詳細なデータも示されています。

「赤外」は、上空からの赤外線放射です(夜間でも雲からの熱放射があります)。

「短波上、下、長波上、下」は4項目でセットになり、
放射収支(下向きが正)= (短波上+長波上)-(短波下+長波下)
これが負の場合は地表面から上空に向かって熱が奪われる「放射冷却現象」が生じていることになります。

「日表」の「最大風速」は、「最大瞬間風速(約0.4秒)」を指す。「最大平均風速(10分平均)」ではない。

「月表」(北農研機構玄関に設置してあるモニターで表示、ダウンロードできます。他のマシンからは「HP公開ファイル」を取得してください)

日最低最高気温などを調べる場合は、この月表を見てください。

日平均値は、毎分計測される値の平均です(1日1440データの平均)。
風速の最大値は、その日の瞬間最大風速です。
瞬間風速の「瞬間」は、概ね0.4秒間です(1回転60パルスの風速計プロペラ回転を0.4秒間隔で計測する)。
風向は、0.4秒毎のベクトルの平均値です。演算値。
日最大平均風速は、1分毎に計算される、平均風速(前10分平均値)の中での最大値。

北農研機構の気象資源評価研究室のウェブサイトから取得できる気象データファイルについて(HP公開ファイル)。

上記「日表」、「月表」とほぼ同内容の情報を取得できます。若干項目の表記方法が異なります。

日値ファイル:
「日最大平均風速」は最大平均風速(10分平均)。

時別値ファイル:
「瞬間風速」は、正時の瞬間風速。
「最大風速」は瞬間最大風速。
「平均風速」は、正時の前10分間

積雪深について

新観測露場の積雪深の方が旧観測露場より大きな値を示しますので(観測位置の相違による)、年次間の単純な比較はできません。積雪深は、レーザー積雪深計により測定しています。測器の精度上、積雪の無い条件でも1cm程度の「積雪」を表示する場合があります。

日表、月表などでは朝9時の積雪深を標示しています。

毎月配布している気象月報に関するメモ

  • 2000年10月に気象観測露場が移設更新された。毎月配布する気象月報は、2000年12月までは旧観測露場において継続観測した値である。
  • 各月の半旬期間は、第1から第5半旬までが各5日間、第6半旬は各月の26日から月の最後まで(2001年1月~6月に配布した気象月報では第6半旬が25日からと記載されているが、26日からの誤り)。
  • 気温と地温は半旬の平均値、降水量と日照時間は半旬の積算値を示す。
  • 積雪深は半旬の最大値を示す。根雪期間の平年値の範囲外にも積雪深の平年値が存在することに注意。
  • 地温は深さ5cmの値。
  • 平年値は1981年から1992年までの12年間の平均値で、アメダス準平年値の期間に準拠している(この記述は(8)に示す内容に改訂(2001年10月22日 記))。
  • 日照時間は太陽電池式日照計(新型)による観測値。平年値は旧型による観測値から換算した。
  • 気象月報で使用する「平年値」は、2001年12月までは1981年から1992年までの12年間の平均値、2002年1月からは1981年から2000年までの20年間の平均値。
  • 新旧露場の観測値の比較(下の表に示した)
新旧露場の日最低気温、日最高気温、日平均気温 の比較(2001年1月~10月)
日最低気温の平均(新) 日最低気温の平均(旧) 日最高気温の平均(新) 日最高気温の平均(旧) 日平均気温の平均(新) 日平均気温の平均(旧)
1月 -15.3 -15.0 -3.0 -2.5 -8.0 -8.0
2月 -14.3 -13.7 -3.5 -3.5 -7.5 -7.4
3月 -7.2 -6.6 2.0 2.3 -1.6 -1.3
4月 0.6 1.0 11.9 12.3 6.5 6.7
5月 6.5 6.7 17.5 17.6 11.8 12.0
6月 10.3 10.6 20.9 21.2 15.3 15.5
7月 16.0 16.2 23.5 23.9 19.2 19.4
8月 15.1 15.4 23.9 24.2 19.4 19.6
9月 11.3 11.4 20.2 20.5 15.7 15.9
10月 5.8 6.1 14.8 15.1 10.6 10.7


新旧露場の降水、日照、日射の比較(2001年1月~10月)
月積算降水量(新、mm) 月積算降水量(旧、mm) 月積算日照時間(新、hours) 月積算日照時間(旧、hours) 月積算日射量(新,MJ/m2) 月積算日射量(旧,MJ/m2)
1月 51 20.5 124 117 212 206
2月 34.5 55.5 107 109 254 251
3月 89.5 69.5 164 165 412 414
4月 29.5 14.0 203 203 512 518
5月 26 30 199 199 584 589
6月 31 34.5 189 185 587 592
7月 103 110 119 118 473 476
8月 119 150 209 209 565 564
9月 242 245 149 152 387 387
10月 69 97 131 128 264 260

旧露場において、冬季降水量計のヒーターが不調であった模様。

新旧露場の日最大風速の平均、最深積雪(9時)、日最低相対湿度の平均値の比較(2001年1月~10月)
日最大風速の平均(新、m/s) 日最大風速の平均(旧、m/s) 最深積雪(新、cm) 最深積雪(旧、cm) 日最低相対湿度の平均(新、%) 日最低相対湿度の平均(旧、%)
1月 6.5 6.9 97 86 51 52
2月 6.7 7.3 99 82 46 48
3月 7.3 7.8 101 85 48 50
4月 7.8 8.2 31 8 41 44
5月 6.9 6.9 - - 49 50
6月 6.1 6.6 - - 54 58
7月 6.2 6.5 - - 68 70
8月 6.3 6.6 - - 63 68
9月 5.9 6.4 - - 56 61
10月 6.1 6.8 - - 55.4 59

新、旧露場それぞれの消雪日は、4月7日、4月5日。

この観測は、阿部博史、桜谷哲夫、羽生寿郎、内島立郎、石黒忠之、泊功、藤原忠、松浦英子、宮田明、村松謙生、山田一茂、城岡竜一、
山岡美恵子、鮫島良次(順不同)をはじめ多くの方々に支えられてこれまで継続してこれたものです。

参考文献