種苗管理センター

所長

松本所長より就任のご挨拶

情報公開日:2023年8月30日(水曜日)

令和5年4月1日付で農研機構種苗管理センター所長を拝命いたしました。昨年度まで試験・検査部長として対応してきた改正種苗法を契機とした特性調査、種苗検査業務の体制づくりに加え、農林省馬鈴薯原原種農場時代からの伝統ある種苗生産業務、農研機構内外との連携推進業務も担当することとなり、身の引き締まる思いです。

国際的な食糧需要の増大、気候変動、我が国の経済的地位の変化等を受け、食料の安定供給への国民の期待が高まっており、農業生産の基盤となる重要な資材である、優良かつ健全な品種・種苗の生産と流通を支える当センターの役割も、その重要度を増しています。また、当センターは、平成28年に農研機構と統合し、その内部部門のひとつとなり7年が経過しました。現在、統合2期目となる中長期計画の中間年を迎えたところであり、法人としての成果の創出が求められています。

当センターでは、今期の具体的な課題として、改正種苗法に基づく育成者権の保護・活用の強化に向け、国と密接に連携し、東北研盛岡研究拠点、果茶研千代田試験地における果樹の栽培試験業務の開始、本所、西日本農場における病害抵抗性検定の強化等に取り組んでいるほか、産地の需要に応える、定時・定量・定品質の原原種の配布に向け、ばれいしょ種苗生産農場での作付けの早期化、PCR検定の体制整備等の改善を進めているところです。

さらに今期は、「種苗管理センターの機能強化」という理事長目標の下、研究機関と統合したメリットを最大限活かして、種苗管理業務の高度化・効率化が進むよう、部門間連携を強力に推進しています。これまで、ばれいしょ異常株抜取り作業へのAI活用のための開発・実証、3次元モデリング技術の特性調査業務への適用性検証、DNA品種識別データベースや種子伝染性病害検査の拡充、増殖ほでのケーンハーベスタ採苗の実証等について、着実に取組が進んでいるところですが、なお、関係者の皆様に技術革新の成果が実感頂けるよう、新たな技術の実装化を積極的に進めてまいります。

今後とも、これまで当センターが蓄積してきた、業務に関する専門性や職員の和を大切にしつつ、農林水産省や種苗に携わる関係者の方々との綿密な現場課題の共有と、農研機構の一員としての技術革新の取組を通じ、時代のニーズに即した業務運営を行ってまいります。関係者の皆様には、引き続き、当センターに対する御高配を頂けますようお願いします。

令和5年8月
国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構
種苗管理センター所長松本 万里