動物衛生研究部門

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低病原性ニューカッスル病ウイルスの病原性でニューカッスル病と区分

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対象家畜鶏、あひる、うずら、七面鳥

特徴

低病原性ニューカッスル病

ニューカッスル病はパラミクソウイルス科、オルトエイブラウイルス属のトリエイブラウイルス1型(ニューカッスル病ウイルス)による鳥類の感染症である。ウイルス株によって鶏への病原性が異なり、家畜伝染病予防法では、病原性の高いウイルス株に起因する疾病をニューカッスル病(家畜伝染病)、病原性が低いウイルス株に起因するものを低病原性ニューカッスル病(届出伝染病)と区分している。ウイルス分離を行って、ウイルスの遺伝子検査や接種試験により、病原性を判定する。

低病原性ニューカッスル病では、ウイルスに感染した鶏はほとんど症状を起こさないが、鶏の間で感染を繰り返すことによりウイルスの病原性が上昇し鶏に致死性の病気を引き起こすことがあるため、家きんのウイルス侵入監視が重要である。

対策

ワクチンにより群全体の抗体価を均一に上げることが効果的な予防に重要である。生ワクチンを使用する場合、飲水または噴霧により簡便にワクチン投与が可能であるが、移行抗体の存在、ワクチン投与用機具への消毒剤の残存、飲水供給口からの距離により効果に影響が起きやすいため、ワクチンの使用説明書に従い適切に実施する必要がある。

原因ウイルスは、ほぼ全ての鳥類に感染するため、防鳥ネット等により野鳥の鶏舎への侵入を防ぐことが重要である。

[写真:ニューカッスル病ウイルスの電子顕微鏡写真]

動物衛生研究部門 : 常國良太、谷川太一朗

参考情報


情報公開日 : 2016年2月10日
情報更新日 : 2024年11月18日