動物衛生研究部門

新興ウイルスグループ

ウイルス性の新興・再興感染症を対象とした基礎研究から、防除法・診断法の開発に取り組んでいます。

鳥インフルエンザウイルスについて、開発ソフトウェアで次世代シーケンサーのデータをウイルス全ゲノム配列に変換し、人への感染性、国内・農場内への侵入経路の推定、遺伝子診断法の検証・開発に利用しています。BSL3で動物感染試験等のウイルス性状解析や遺伝子組換えワクチン開発も行っています。人にも感染する豚インフルエンザウイルスについて、国内での循環ウイルスの状況を把握して有効なワクチン開発を行うと共に、農場内でのウイルスの循環様式を明らかにし、効果的なワクチンプログラムの提案を行います。

近年SARS、MERS、COVID-19など動物由来ベータコロナウイルスが家畜や野生動物を介して人に感染・蔓延し、パンデミックを引き起こしています。新たなパンデミックウイルスの出現に備えた人への感染リスクの評価の為、家畜や野生動物でのコロナウイルスの浸潤状況や種間伝播の実態を正確に把握することは極めて重要です。また、一部コロナウイルスの遺伝子操作技術を確立し、その遺伝子機能や感染機構を解明して、早期ワクチンの実現に向けて有用な知見を集積しています。

BSL-3施設内での中国で分離された人由来H7N9鳥インフルエンザウイルスの鶏への感染実験

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