動物衛生研究部門

人獣共通感染症研究領域

細菌やウイルス等、人獣共通感染症病原体は、家畜衛生および公衆衛生上の重大なリスクとなっています。2019年末から現在まで世界的に問題となっているヒトの新型コロナウイルス感染症は、野生動物由来であることが示唆されており、また2009年のH1N1亜型によるインフルエンザの流行も豚由来ウイルスであることが明らかとなっています。さらに、食品媒介性感染症のフードチェーンからの排除や薬剤耐性菌によるヒトや家畜の健康被害も問題視されていることからこれらのリスク低減にはワンヘルスの観点からの取り組みが求められています。

このような背景のもと、新興ウイルスグループと腸管病原菌グループから成る人獣共通感染症研究領域ではインフルエンザウイルスや病原性大腸菌、サルモネラ、カンピロバクターなどの病原体の伝播・存続様式の解明に基づく感染環の遮断方法を開発するとともに、効果的なワクチンや薬剤の開発につながる分子の解析を行っています。出口として家畜生産現場で応用可能な効果的な疾病防除技術を開発し、動物由来人獣共通感染症の早期発見と早期対応を可能にし、感染症に強い社会の実現に貢献することを目標としています。

領域長

真瀬 昌司(ませ まさじ)

所属研究グループ