動物たちは腸管内、皮膚、呼吸器や生殖器の粘膜などにたくさんの細菌を宿し、また環境中の多様な細菌に囲まれて生きています。多くの細菌は動物たちとうまく共生していますが、一部の菌は動物に感染症を引き起こし、死に至らしめることもあります。家畜の生産現場で細菌感染症が発生すると、経営者に経済的な損失を与えるだけでなく、その動物や畜産物と接触した人に感染症を引き起こすこともあります。私たち細菌グループでは人や動物の健康を脅かす様々な細菌感染症を制御するために主に以下のような研究に取り組んでいます。
- 牛のマイコプラズマ性乳房炎の治療法の改良
- 豚丹毒の弱毒株を利用したベクターワクチンの開発
- サルモネラに対する宿主免疫応答の解析
- 豚に増殖性腸炎を引き起こすローソニアの感染機序の解明
- 牛に持続性下痢を引き起こすヨーネ病の発病機構の解明と診断法の開発
- ミツバチの病原体の検出法の開発
- 家畜のレンサ球菌症の発病機序の解明と検査法の開発
- 牛の呼吸器感染症原因菌の薬剤耐性機構の解明
これらの研究を通じて動物の細菌感染症の予防法や診断法を高度化し、畜産業の経営基盤強化や安心安全な畜産物の生産に貢献したいと思っています。